LINEで配信しているものの、
「全員に同じ内容を送って反応が鈍い」
「クーポンを出しても来店につながらない」
「ECで再購入を促したいのに刺さる訴求が作れない」と悩む担当者は少なくありません。
そんなときに見直したいのが、相手に合わせて届けるLINEのセグメント配信です。
この記事では、LINEのセグメント配信のやり方を1から整理しながら、何を基準にセグメントを切るべきか、どこで失敗しやすいのか、運用で押さえたい注意点まで分かりやすく解説します。はじめて設定する方でも、読み終える頃には「自社ならどの切り方から始めるべきか」が見えてくるはずです。
LINE公式アカウントでいうセグメント配信は、実務上「絞り込み配信」を指します。
やみくもに細かく分けるのではなく、まずは商品カテゴリ、来店有無、購入有無、会員ランクなど、売上や来店に直結しやすい軸から始めるのが基本です。
- まずは「誰に・何を・どの行動を促したいか」を決める
- 細かく分ける前に、反応差が出やすい軸を優先する
- 配信後は開封やクリックを見て、次回のセグメントに活かす
LINEセグメント配信とは何か
LINEセグメント配信とは、友だち全員に一斉送信するのではなく、条件に合う相手だけにメッセージを送る方法のことです。
LINE公式アカウントの管理画面では、配信先を「すべての友だち」ではなく「絞り込み」に切り替えることで設定できます。
つまり、セグメント配信=LINE公式アカウントにおける絞り込み配信と捉えると分かりやすくなります。
重要なのは、セグメント配信の目的が「配信数を減らすこと」ではなく、「相手に合う内容を届けて反応率を上げること」にある点です。
たとえばアパレルECなら新作カテゴリごと、店舗ビジネスなら来店店舗ごと、人材業界なら応募段階ごとに内容を分けるだけで、同じLINEでも受け取る側の体感は大きく変わってきます。
そもそもLINEは国内月間利用者数1億人以上(2025年12月末時点、LINEヤフー株式会社発表)、メッセージの平均開封率は約55%(2022年6月 LINEヤフー株式会社調べ)と、他チャネルと比べてリーチ・到達率がともに高いのが大きな強みといえます。
一方で平均ブロック率は約36%というデータもあり、合わない情報を送り続けると一気に離脱されてしまう側面も。
届きやすいチャネルだからこそ、セグメント配信で「相手に合う内容を届ける」設計が、運用成果の差を大きく分けます。
LINEヤフー for Business LINEヤフー for Business公式note
| 項目 | 概要 | 向いているケース |
|---|---|---|
| 一斉配信 | 全友だちに同じ内容を送る配信 | 営業時間変更、全体キャンペーン、緊急案内 |
| 属性での絞り込み | 年齢・性別・地域などの条件で配信先を絞る | 店舗商圏別の告知、商材ごとに訴求を変えたいとき |
| オーディエンス配信 | 反応履歴や作成済み条件をもとに対象を絞る | クリック者への追客、特定訴求の再配信、再購入促進 |
まず理解しておきたい考え方
初心者がつまずきやすいのは、「細かく分けるほど成果が出る」と考えてしまうところ。
実際には、母数が小さすぎると検証しにくく、運用も複雑になりがちです。
最初は2〜4パターン程度に分け、明確に反応差を見られる設計にするほうが現実的でしょう。
LINEセグメント配信のやり方
ここからは、実際の進め方を順番に見ていきます。
管理画面の操作そのものは難しくありませんが、設定前の設計があいまいだと成果につながりにくいもの。
先に「切り方」を決め、その後に管理画面で配信条件を設定する流れが基本です。
1. 配信の目的と切り口を決める
最初に決めるべきなのは、配信の目的です。
たとえば
「初回購入を増やしたい」
「来店頻度を上げたい」
「セール告知の反応を高めたい」など、目的によって切るべきセグメントは変わってきます。
- 配信の目的を1つに絞る
- 目的に直結する切り口を決める
- 各セグメントに送る訴求を変える
たとえばECなら「未購入会員」と「購入経験者」では送るべき内容が異なります。
未購入会員には初回限定特典、購入経験者には関連商品の提案や再購入訴求のほうが自然な流れに着地しやすいです。
店舗型ビジネスであれば、来店履歴の有無や利用店舗ごとに分けるだけでも、配信の違和感を減らせるでしょう。
2. LINE公式アカウントの管理画面で絞り込みを設定する
LINE公式アカウントでは、「メッセージ配信」から新規メッセージを作成し、配信先で「絞り込み」を選びます。
そのうえで、属性や作成済みオーディエンスを使って対象を設定する流れです。
なお、属性での絞り込みはターゲットリーチ数が100人以上必要で、作成したオーディエンスは配信先として最大10個まで設定できます。
LINEヤフー for Business
管理画面では、配信先の設定後にターゲット推計を確認できます。
想定より母数が少ないときは、条件を増やすのではなく一度広げてみるほうが改善しやすいケースもよく起こります。
配信前に推計値をチェックする習慣をつけておくと安心です。
3. セグメントごとにメッセージ内容を変える
セグメント配信で成果が出ない原因の多くは、配信先だけ分けて中身が同じになっているパターンに集中しています。
対象が違えば、興味関心も比較タイミングも異なります。
件名代わりの冒頭文、オファー、リンク先まで含めて変えることが重要です。
たとえば、セール告知でも「レディース新作を見たい人」と「セール品だけを探している人」では、同じバナーを送るより訴求軸を変えたほうが反応は上がりやすくなります。
セグメント配信は、送る相手を変えるだけでなく、相手に合わせてメッセージの意味を変える施策だと捉えるのがコツです。
どんな切り方をすれば成果につながりやすいか
セグメントの軸は無数にありますが、最初は「売上や来店に近い軸」から始めるのがおすすめです。
現場で扱いやすく、配信後の改善にもつなげやすいからです。
| 業種・ケース | おすすめの切り口 | 配信例 | 狙い |
|---|---|---|---|
| EC・通販 | 未購入 / 購入済み / 特定カテゴリ閲覧者 | 初回特典、再購入提案、関連商品の案内 | CV向上、再購入促進 |
| 店舗ビジネス | 来店有無 / 利用店舗 / 来店間隔 | 店舗別クーポン、近隣店舗のイベント告知 | 来店促進、休眠防止 |
| アパレル | 性別 / 好みカテゴリ / セール反応者 | 新作案内、在庫残り僅か、値下げ通知 | クリック率向上、購買後押し |
| 人材・教育 | 応募段階 / 興味職種 / 参加有無 | 説明会案内、未完了者へのフォロー | 歩留まり改善、離脱防止 |
特に最初の一歩としておすすめなのは、次の3軸です。
- 購買・来店の有無で分ける
- 興味カテゴリで分ける
- 直近反応の有無で分ける
この3つは、データの整備が比較的しやすく、訴求も作り分けやすい軸といえます。
逆に、最初から細かな属性を掛け合わせすぎると、配信先が少なくなりすぎて結果を判断しにくくなりがちです。
失敗しないための注意点
LINEセグメント配信は便利な仕組みですが、設定すれば自動で成果が出るわけではありません。
ありがちな失敗を先に知っておくと、運用の立ち上がりがかなりスムーズになります。
| よくある失敗 | 起こる理由 | 対策 |
|---|---|---|
| セグメントを細かくしすぎる | 対象人数が少なく、良し悪しを判断できない | 最初は大きめの区分で始める |
| 配信内容が全セグメントで同じ | 訴求差がなく、分けた意味が薄い | 冒頭文、特典、リンク先まで変える |
| 配信後の確認をしていない | 改善点が見えず、配信が惰性化する | 開封・クリック・反応差を毎回確認する |
| 自社都合で分けてしまう | 受け手にとって関係ない内容になる | ユーザー視点で「知りたい情報」から設計する |
また、セグメント配信は配信頻度の見直しともセットで考えるのがおすすめです。
どれだけ適切に分けても、送りすぎれば負担になります。
まずは「本当にその人に今必要な情報か」を基準に、配信本数そのものも調整していきましょう。
配信後の効果測定で確認すべき指標
セグメント配信は、送って終わりではなく「次回どう変えるか」までが1セット。配信ごとに数字を残しておくと、改善のサイクルが一気に回しやすくなります。最初に押さえたい指標は次の4つです。
| 指標 | 見るポイント | 改善ヒント |
|---|---|---|
| 開封率 | セグメントごとの差 | 冒頭文・配信時間を変えて再検証する |
| クリック率 | リンクまで進んだ割合 | バナー画像・遷移先を見直す |
| CV(購入・予約・来店) | 配信から行動までの数 | 訴求とランディング先のズレを確認する |
| ブロック率 | 配信後のブロック発生数 | 頻度・内容のミスマッチがないかを点検 |
セグメントごとに同じ指標を並べると、「どの分け方が効いているか」が一目で分かるようになります。
さらに、配信日時・件名冒頭・主訴求をメモに残しておくと、再現性のある勝ちパターンが少しずつ見えてくるはずです。
最初は完璧な分析を目指さず、毎回1つの仮説検証を回すくらいの感覚で十分でしょう。
LINEセグメント配信のよくある質問
LINE公式アカウントだけでもセグメント配信はできますか
できます。LINE公式アカウントの「絞り込み」機能を使えば、属性やオーディエンスをもとに配信先を分けられます。
まずは公式アカウントの範囲で始め、運用が進んでから高度化を検討する流れでも問題ありません。
属性で絞り込めないのはなぜですか
属性での絞り込みには、ターゲットリーチ数が100人以上必要です。
友だち数や条件設定によっては対象人数が足りず、利用できない場合もあります。条件を狭めすぎていないか、見直してみてください。
セグメントは何個くらい作ればいいですか
最初は2〜4個程度で十分です。
未購入と購入済み、来店ありと来店なし、カテゴリAとカテゴリBなど、大きな違いが出やすい分け方から始めるほうが、改善もしやすくなります。
無料プランでも始められますか
始められます。LINE公式アカウントにはコミュニケーションプランがあり、月額0円で月200通まで配信可能です。
まず小さく試し、配信量が増えてからライトプランやスタンダードプランを検討する進め方でも問題ありません。
セグメント配信で一番大切なのは何ですか
一番大切なのは、切り方よりも「誰に何を届けると行動が変わるか」を先に考えることです。
配信設定はその後で問題ありません。管理画面の操作より前に、目的と訴求の設計を固めることが成果への近道になります。
次の記事ではさらに効率的な配信を行うためにツール導入も視野に入れましょう
LINE公式アカウントの標準機能でも、セグメント配信の基本は十分始められます。
ただし、配信パターンが増えてきたり、ECの再購入促進や行動連動の設計まで視野に入ったりすると、標準機能だけでは運用が煩雑になりやすい場面も出てきます。
次の記事では、より効率的に配信を進めるための比較ポイントを整理していますのでぜひ併せて読んでみてください。