LINE運用の情報を調べていると「LINE配信ツール」という言葉をよく見かけます。ただ、LINE公式アカウントとは何が違うのか、そもそも必要なのかが分かりにくいところです。LINE配信ツールとは、LINE公式アカウントと連携して、標準機能だけでは届かない配信設計や顧客管理を担う拡張ツールのことです。
この記事では、LINE配信ツールとは何かをかみ砕いて解説します。呼び方の違い、できること、LINE公式アカウントとの役割分担、費用の考え方、目的別の選び方まで、はじめて検討する方にも分かるように整理しました。
LINE配信ツールとは?ひと言でいうと

LINE配信ツールとは、LINE公式アカウントに後付けする外部ツールのことです。LINE公式アカウントが持つAPIという接続の仕組みを使って連携し、標準の管理画面ではできない配信や顧客管理を可能にします。
スマートフォンに追加でアプリを入れる感覚に近く、本体はそのまま使いながら足りない機能を外から補います。LINE公式アカウントを解約したり、乗り換えたりする必要はありません。
「拡張ツール」「LINE特化型MAツール」との違い

複数の呼び方が出てきますが、指しているものはほぼ同じです。別のカテゴリだと考える必要はありません。
| 呼び方 | ニュアンス |
|---|---|
| LINE配信ツール | メッセージ配信の強化に軸を置いた呼び方 |
| 拡張ツール | LINE公式アカウントの機能を広げる、という関係性を表した呼び方 |
| LINE特化型MAツール | 配信の自動化(マーケティングオートメーション)まで含めた呼び方 |
LINE公式アカウントとの違い
両者は競合しません。LINE公式アカウントが「送るための土台」、LINE配信ツールが「誰に何を送るかを決める頭脳」と考えると整理しやすくなります。
| 項目 | LINE公式アカウント単体 | LINE配信ツール連携時 |
|---|---|---|
| 配信方法 | 一斉配信が中心 | セグメント配信やシナリオ配信に対応しやすい |
| 絞り込みの条件 | 性別・年代・友だち追加日など | 購買履歴・閲覧履歴・会員IDなども使える |
| 顧客管理 | 限定的 | 属性・行動・購買データとあわせて管理しやすい |
| 分析 | 基本的な確認が中心 | 配信ごとの効果検証や改善が進めやすい |
| 運用効率 | 手動作業が増えやすい | 自動化で工数削減を図りやすい |
LINE配信ツールでできること
ツールによって差はありますが、多くの製品に共通して備わっているのは次の5つです。
1. ステップ配信・シナリオ配信

友だち追加や購入をきっかけに、用意したメッセージを順番に自動配信する機能です。1通目は挨拶、3日後にクーポンといった流れを、一度設定すれば手を動かさずに回せます。
2. セグメント配信

配信の対象を条件で絞り込む機能です。標準機能でも性別や年代では絞れますが、購入したことがある人だけ、直近1ヶ月サイトを見ていない人だけ、といった絞り込みは連携が前提になります。
3. 顧客管理とID連携

友だちにタグを付けたり、自社の会員IDとLINEアカウントをひも付けたりする機能です。ID連携ができると、購買履歴に基づいた配信が可能になります。
4. 効果測定と分析
どの配信が読まれ、どこがクリックされ、どれだけ購入につながったかを確認できます。感覚ではなく数字で次の配信を決められます。
5. リッチメニューやフォームの活用
トーク画面下部のメニューを相手ごとに出し分けたり、アンケートフォームで情報を集めて配信に反映したりできます。
なぜLINE配信ツールが必要とされるのか
LINE公式アカウントの平均開封率は約55%とされています。メールに比べて読まれやすい接点であることは間違いありません。
出典:LINEヤフー株式会社(2022年6月調べ)
とはいえ、読まれやすいことと成果が出ることは別です。同じ内容を全員に送っていると、開封されたうえで「自分には関係ない」と判断されます。それが積み重なるとブロックにつながります。
LINE公式アカウントの平均ブロック率は約36%とされています。
出典:LINEヤフー for Business公式note
ブロックの理由として最も多く挙げられているのが、配信頻度の多さです。
出典:モビルス株式会社「消費者のLINE公式アカウント利用実態調査」
とは言っても、配信を減らせば解決するわけではありません。その人にとって関係のない配信が続くことが問題であり、内容が合っていれば頻度は受け入れられます。LINE配信ツールとは、この「関係のある配信」を無理なく続けるための道具だといえます。
費用はどう考えればよいか
見落とされやすいのが、LINE配信ツールを導入してもLINE公式アカウントの料金はなくならないという点です。かかる費用は「ツールの利用料+LINE公式アカウントのプラン料金」の合計になります。
| プラン | 月額費用(税別) | 無料メッセージ通数/月 | 追加メッセージ |
|---|---|---|---|
| コミュニケーションプラン | 0円 | 200通 | 不可 |
| ライトプラン | 5,000円 | 5,000通 | 不可 |
| スタンダードプラン | 15,000円 | 30,000通 | 可(従量課金) |
出典:LINEヤフー for Business
通数は「配信回数×配信対象の友だち数」で計算されます。友だちが1,000人いて月4回配信すれば4,000通です。ツールの利用料が上乗せされる分、総額は上がります。とはいえ、配信対象を絞れば通数そのものを減らせるため、単純に費用が増えるとは限りません。
友だち1,000人に月4回配信すると4,000通。ライトプランの5,000通で収まりますが、キャンペーン月は超える可能性があります。ライトプランは追加配信ができないため、変動が大きい業種はスタンダードプランを視野に入れておくと安心です。
目的別に見るLINE配信ツールの選び方
LINE配信ツールとは何かが分かったら、次は自社の目的に合うかどうかです。多機能であれば成果が出るかというと、そうとは言えません。使わない機能に費用を払うことになるためです。
1. 配信業務を効率化したい
配信予約やステップ配信など、日常業務の負荷を減らせる機能がそろっているかを確認しましょう。操作画面の分かりやすさも判断材料になります。
2. ECや会員データと連携したい
顧客ごとに案内を変えたい業種では、データ連携のしやすさが重要です。購買履歴や閲覧履歴を使えるかで配信精度は大きく変わります。
3. 運用改善まで含めて進めたい
成果改善まで進めたい場合は、サポート体制を確認しましょう。初期設計やシナリオの考え方まで伴走してもらえるかで、立ち上がりの速さが変わります。
機能数が多いツールではなく、自社の課題を解決できるツールを選ぶことが重要です。配信規模・必要機能・社内の運用体制の3点を先に整理してから比較すると、ミスマッチを防ぎやすくなります。
LINE配信ツールが向いている企業
- 一斉配信だけでは反応に限界を感じている企業
- 友だち数が増え、手動運用では回らなくなってきた企業
- ECや会員情報とあわせて配信を最適化したい企業
- 配信後の効果測定まで含めて改善したい企業
反対に、配信頻度が少なく対象も限定的で、LINE公式アカウントの基本機能で足りている場合は、すぐに必要とは限りません。手動では回らなくなった段階が、検討を始めるタイミングです。
まとめ

LINE配信ツールとは、LINE公式アカウントと連携して配信設計や顧客管理を担う拡張ツールです。呼び方は複数ありますが指すものはほぼ同じで、LINE公式アカウントを置き換えるものではありません。共通しているのは、一斉配信から抜け出して「関係のある配信」を続けやすくする点です。
役割と選び方の軸が整理できたら、次はどのツールが自社に合うのかが気になるところではないでしょうか。具体的なツールごとの特徴や違いは、次の記事で詳しく紹介しています。
LINE配信ツールとは?に関するよくある質問
LINE配信ツールとは、LINE公式アカウントそのものですか?
別物です。LINE配信ツールとは、LINE公式アカウントと連携して使う拡張ツールを指します。LINE公式アカウントを解約する必要はなく、両方を併用する形になります。
LINE配信ツールを入れると配信通数は増えますか?
自動的には増えません。配信できる通数はLINE公式アカウント側の料金プランで決まるため、ツール選定とあわせて通数設計も必要です。