LINEマーケティング自動化サービスLigla(リグラ)のカスタマーサクセスチームが、LINE公式アカウントのチャット機能の基本から活用の考え方まで、BtoC企業のマーケティング担当者にもわかりやすく解説します。LINE公式アカウントというとメッセージ配信の印象が強いものの、実際にはユーザーと1対1でやり取りできるチャット機能も備わっており、問い合わせ対応や接客の質向上に活かせます。
とはいえ、チャット機能とメッセージ配信の違いが曖昧なままだと、「何ができるのか」「どこまで対応すべきか」「自社に本当に必要なのか」で迷いやすくなります。この記事では、LINE公式アカウントのチャット機能の役割、活用シーン、運用時の注意点を整理し、自社に合った使い方を判断しやすい形でまとめました。
LINE公式アカウントのチャット機能は、ユーザーとの個別対応に向いた機能です。一斉告知向けのメッセージ配信とは役割が異なるため、まずは使い分けを整理することが重要です。
LINE公式アカウントのチャット機能とは?まず全体像を整理
LINE公式アカウントのチャット機能とは、友だち追加したユーザーと企業・店舗が1対1でコミュニケーションできる機能です。キャンペーンや新着情報をまとめて届けるメッセージ配信とは異なり、ユーザーごとの質問や相談に応じて個別に返答できるのが大きな特徴です。
たとえばECなら商品に関する問い合わせ、店舗ビジネスなら予約前の確認、アパレルならサイズ相談、人材業界なら応募前の質問対応などに向いています。ユーザーから見ると、電話やメールよりも気軽に連絡しやすいため、購入や来店のハードルを下げやすいのも魅力です。LINEの月間利用者数は1億人以上(2025年12月末時点、LINEヤフー株式会社発表)にのぼり、日常的に使われるアプリ上で接客できる点は、他チャネルにはない強みといえます。
| 項目 | 概要 | 向いているケース |
|---|---|---|
| チャット機能 | ユーザーごとに個別で会話する機能 | 問い合わせ対応、購入前相談、予約確認、接客補助 |
| メッセージ配信 | 友だち全体または条件ごとに一斉配信する機能。平均開封率は約55%(2022年6月 LINEヤフー株式会社調べ)とメールの約20%前後を大きく上回る | キャンペーン告知、新商品案内、再来店促進 |
| 応答メッセージ | 設定した内容を自動で返す機能 | 営業時間案内、よくある質問の一次対応 |
- まずは「個別対応」と「一斉配信」を分けて考える
- チャット機能は接客やサポートに向いている
- 販促や再接触はメッセージ配信との使い分けが重要
チャット機能とメッセージ配信を混同しないために
LINE公式アカウントでは、同じLINE上でやり取りするため、チャットと配信の境界が曖昧になりがちです。しかし実際には、チャット機能は「相手の反応に合わせる場」、メッセージ配信は「こちらからまとめて情報を届ける場」です。この違いを理解しておくと、機能の選び方や運用方針がぶれにくくなります。
チャット機能でできること・できないこと
LINE公式アカウントのチャット機能では、テキストだけでなく、画像やファイル、定型文などを使いながら対応を進められます。単なる返信窓口ではなく、日々の顧客対応を整理しやすくするための機能も用意されています。(出典:LINEヤフー for Business|LINEチャット)
| 比較軸 | チャット機能 | メッセージ配信 | 見るべきポイント |
|---|---|---|---|
| 役割 | 個別の質問や相談への対応 | 情報を広く届ける | 個別対応か、一斉告知かで使い分ける |
| 送信内容 | テキスト、画像、ファイル、定型文など | お知らせ、販促情報、再来店促進など | 内容の性質に合った手段を選ぶ |
| 通数カウント | チャットでの返信は通数にカウントされない | 配信メッセージは月間通数にカウントされる | コスト管理の観点でも役割を分けると効率的 |
| 運用方法 | 担当者ごとの返信が必要 | 配信設計や配信対象の整理が必要 | 属人化を防ぐルール設計が大切 |
| 向いている成果 | 不安解消、比較検討の後押し、問い合わせ対応 | 認知拡大、再訪促進、購入促進 | CV前の接客か、母数拡大かを見極める |
- 問い合わせ対応を効率化したいならチャット機能が向いている
- 同じ情報を多くの友だちに届けたいならメッセージ配信が向いている
- チャット機能を使う場合は、誰が返信するかを決めておく必要がある
- よくある質問は定型化し、対応品質をそろえることが大切
一方で、チャット機能は何でも自由に販促送信する場として使わないほうが安心です。個別に相談された内容へ丁寧に返すことに強みがあるため、売り込み中心の運用にしてしまうと、ユーザー体験を損ないやすくなります。LINE公式アカウントの平均ブロック率は約36%(LINEヤフー for Business公式note)で、ブロック理由の1位は「配信頻度が多すぎる」(26.5%・モビルス株式会社 2025年調査 655名対象)です。チャットでも配信でも、「相手にとって必要な情報か」を軸にすることがブロック防止につながります。
ケース別に見る、チャット機能が向いている企業
チャット機能が活きるかどうかは、業種だけでなく、顧客との接点の作り方にも左右されます。特に、購入前・来店前・申込前に「ちょっと確認したい」が発生しやすいビジネスほど相性が良い傾向があります。
| ケース | チャット機能の活用例 | 理由 |
|---|---|---|
| EC・通販企業 | 商品選び、配送、在庫の質問対応。配信と併用し、かご落ちフォローは配信で対応 | 購入前の不安解消が決済率に直結しやすい |
| 店舗型ビジネス | 予約確認、来店前の質問対応、メニュー相談 | 来店前の個別対応が顧客満足度と来店率に影響する |
| アパレル | サイズ相談、コーディネート提案、在庫確認 | 購入前の迷いをチャットで解消できると、返品率の低減にもつながる |
| 人材業界 | 応募前の質問対応、面談日程の調整、条件確認 | 応募ハードルを下げることで応募数の改善が期待できる |
| BtoB企業 | 資料請求後の補足説明、日程調整 | 用途を絞ることで運用しやすく、商談化の後押しになる |
- まずは、ユーザーから実際に来そうな問い合わせ内容を洗い出す
- 次に、その問い合わせにチャットで返す価値があるかを考える
- 最後に、返信体制を組めるかどうかで導入範囲を決める
たとえばECでは、かご落ち対策や再購入促進そのものはメッセージ配信の役割が大きい一方、商品比較や購入前相談はチャット機能が役立ちます。店舗型ビジネスなら、クーポン配信で来店を促しつつ、来店前の不明点はチャットで解消する、といった組み合わせが考えやすいです。
運用前に整理したい注意点
チャット機能は便利ですが、導入しただけで成果につながるわけではありません。返信ルールが曖昧だと、対応漏れや重複返信が起きやすくなります。特に複数人で運用する場合は、タグやメモ、担当管理の考え方をあらかじめ整理しておくことが大切です。
- 返信時間の目安を決めておく(「営業時間内〇分以内」など)
- 担当者の役割分担を明確にする(店舗別・部門別など)
- よくある質問は定型文でそろえる
- 問い合わせ内容に応じてエスカレーション先を決める
- 販促目的の情報はメッセージ配信と切り分ける
チャットを開放したものの、誰が返信するか決まっていないケースは少なくありません。ユーザーにとっては「連絡したのに返ってこない」状態になりやすいため、機能設定より先に運用体制を整えることが重要です。
また、チャット機能だけでマーケティング施策全体をまかなうのは難しい場面もあります。比較検討中のユーザーとの個別接点には強い一方で、友だち全体への告知や再訪促進は別の打ち手が必要です。だからこそ、チャット機能単体で考えるのではなく、LINE全体のコミュニケーション設計として捉えることが欠かせません。
結局、LINE公式アカウントのチャット機能はどう使うべきか
LINE公式アカウントのチャット機能は、ユーザーの不安や疑問をその場で解消しやすい機能です。だからこそ、導入判断では「チャットが使えるか」ではなく、自社に個別対応が必要な接点があるかを見ることが大切です。
- 問い合わせや相談が発生しやすいなら導入価値は高い
- 返信体制を組めないなら範囲を絞って始める
- 販促や再訪促進は配信機能と分けて考える
- LINEを主軸に顧客接点を強化したい企業ほど、全体設計が重要になる
チャット機能は「ただ付いている便利機能」ではなく、接客やサポートの質を左右する機能です。ユーザーとの距離を縮めたい企業ほど、配信施策とあわせてどのように使い分けるかを考える価値があります。
FAQ
LINE公式アカウントのチャット機能だけでも十分ですか
問い合わせ対応や個別接客には役立ちますが、全体告知や継続的な販促まで担うには限界があります。目的に応じて、メッセージ配信と役割を分けて考えるのがおすすめです。
チャット機能はどんな業種で使いやすいですか
EC、小売、アパレル、店舗ビジネス、人材サービスなど、購入前・来店前・申込前の相談が発生しやすい業種と相性が良いです。
チャット機能を使うときに最初に決めるべきことは何ですか
まずは「どの問い合わせをチャットで受けるか」と「誰が返信するか」を決めることです。ここが曖昧だと、運用が属人化しやすくなります。
メッセージ配信との違いは何ですか
チャット機能は個別対応、メッセージ配信は一斉告知が基本です。相談対応はチャット、情報発信は配信と整理するとわかりやすくなります。なお、チャットでの返信は月間の配信通数にカウントされません。
無料プランでもチャット機能は使えますか
LINE公式アカウントのコミュニケーションプラン(月額0円)でもチャット機能は利用できます。ただし、友だち数や配信通数が増えると有料プランへの切り替えが必要になる場合があります。(出典:LINEヤフー for Business|料金プラン)
チャット機能と合わせてメッセージ配信を強化!
チャット機能で個別対応の質を高めたら、次に取り組みたいのが友だち全体への情報発信の最適化です。チャットで「相談しやすい」関係をつくりつつ、メッセージ配信で「再来訪や購入のきっかけ」を届ける。この両輪を回すことで、LINE公式アカウントの活用効果を一段引き上げることができます。
メッセージ配信の考え方や運用のコツを詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。