企業や店舗でLINE公式アカウントを運営する際、複数人で管理することで業務効率化と安定運営を実現できます。
しかし、適切な権限設定やセキュリティ対策を講じないと、運用ミスや情報漏洩のリスクが生じる可能性があります。
この記事では、LINEマーケティング自動化サービスLigla(リグラ)のカスタマーサクセスチームが、LINE公式アカウントを複数人で管理する具体的な方法から、権限設定のベストプラクティス、注意すべきセキュリティポイントまで詳しく解説いたします。
LINE公式アカウントの複数人管理が可能な理由
LINE公式アカウントは、1つのアカウントにつき最大100人までの管理者を追加できる仕組みが用意されています。これにより、チーム全体でLINE公式アカウントの運用業務を分担し、効率的な顧客対応やマーケティング活動を実現できます。
複数人管理では、各メンバーの役割に応じて4種類の権限レベルを設定できるため、セキュリティを保ちながら運用できます。
LINE公式アカウントの4つの権限種類
LINE公式アカウントでは、管理者に付与できる権限が4つの種類に分かれています。各権限の特徴と適用場面を理解して、適切な権限設定を行いましょう。
| 権限種類 | できること | 適用場面 |
|---|---|---|
| 管理者 | 全機能の利用、課金設定、メンバー管理 | 責任者、統括担当者 |
| 運用担当者 | 配信、チャット、分析閲覧(課金設定とメンバー管理は不可) | マーケティング担当者 |
| 運用担当者(配信権限なし) | チャット対応、分析閲覧(配信とLINE VOOM投稿は不可) | カスタマーサポート担当者 |
| 運用担当者(分析閲覧権限なし) | チャット対応、配信(分析データの閲覧は不可) | アルバイトスタッフ |
管理者権限の詳細
管理者権限を持つユーザーは、LINE公式アカウントのすべての機能を利用できます。具体的には以下の操作が可能です。
- メッセージの一斉配信とLINE VOOM投稿
- 1対1チャットでの顧客対応
- 分析レポートの閲覧
- アカウント設定の変更
- 有料プランの管理と課金設定
- 新しいメンバーの追加と権限変更
運用担当者権限の活用方法
運用担当者権限は、日常的な運用業務を担当するスタッフに最適な権限レベルです。課金設定やメンバー管理といった重要な設定変更はできませんが、メッセージ配信や顧客対応など、実務に必要な機能は全て利用できます。
管理者を追加する手順
LINE公式アカウントに新しい管理者を追加する際は、招待URLを使用した方法で行います。以下の手順で進めてください。
- LINE Official Account Managerにログインし、対象アカウントの管理画面を開く
- 画面右上の「設定」から「権限管理」を選択
- 「メンバーを追加」をクリック
- 追加するメンバーの権限レベルを選択
- 「URLを発行」ボタンを押して招待URLを生成
- 生成されたURLを追加したいメンバーに送信
- メンバーがURLにアクセスしてLINEビジネスIDでログイン
招待URLは発行から24時間で無効になります。また、1つのURLは1人のみ利用可能なため、複数人を追加する場合は人数分のURLを発行してください。
複数人管理のメリット
LINE公式アカウントを複数人で管理することで、以下のようなメリットを得られます。
業務効率の向上
役割分担により、各担当者が専門性を活かした業務に集中できます。例えば、マーケティング担当者は配信戦略に、カスタマーサポート担当者は顧客対応に専念することで、全体的な運用品質が向上します。
24時間対応の実現
複数のスタッフでシフトを組むことで、営業時間外でも顧客からの問い合わせに迅速に対応できます。これにより顧客満足度の向上と機会損失の防止につながります。
運用リスクの分散
一人の担当者に依存せず、複数人で知識と経験を共有することで、属人化リスクを軽減できます。担当者の急な休業や退職があっても、運用を継続できる体制を構築できます。
複数人管理時の注意点とセキュリティ対策
複数人でLINE公式アカウントを管理する際は、以下の注意点を理解し、適切な対策を講じることが重要です。
情報共有の徹底
対応履歴の共有不足により、同じ顧客に対して重複した対応や矛盾した回答をしてしまうリスクがあります。チャット対応の際は、対応内容をチーム内で共有できる仕組みを作りましょう。
権限設定の適正化
各メンバーの役割に応じて必要最小限の権限を付与することで、誤操作や不正利用のリスクを軽減できます。特に以下の点にご注意ください。
- 配信権限は信頼できるスタッフのみに付与する
- 分析データは機密性が高いため、閲覧権限を制限する
- 管理者権限は最小限の人数に限定する
- 退職者の権限は速やかに削除する
セキュリティ強化策
LINE公式アカウントのセキュリティ対策として、以下の施策を実施することをおすすめします。
- 2段階認証の設定
- 強固なパスワードの使用(他サービスとの使い回し禁止)
- 公共のWi-Fiでのログイン禁止
- 定期的な権限設定の見直し
- スタッフへのセキュリティ研修の実施
複数人管理を効率化するおすすめツール
LINE公式アカウントの複数人管理をより効率的に行うためには、拡張ツールの活用が効果的です。以下に代表的なツールをご紹介します。
Lステップ
LINE公式アカウントの運用に特化したマーケティングツールです。ステップ配信やセグメント配信などの高度な機能を提供しています。詳細な料金や機能については公式サイトをご確認ください。
Liny
CRM機能と連携したLINE運用ツールです。顧客管理機能が充実しており、複数人での顧客対応を効率化できます。具体的な料金プランや機能詳細は公式サイトをご確認ください。
L Message
LINE公式アカウントの集客から分析まで自動化できるマーケティングツールです。直感的な操作性が特徴です。詳細情報については公式サイトでご確認いただけます。
各ツールの機能や料金は頻繁に更新されるため、導入前に最新情報を公式サイトで確認することをおすすめします。
効果的な運用体制の構築方法
複数人でLINE公式アカウントを管理する際は、明確な役割分担と運用ルールの策定が成功の鍵となります。
役割分担の例
| 役職 | 主な担当業務 | 推奨権限 |
|---|---|---|
| マーケティング責任者 | 配信戦略、分析、全体統括 | 管理者 |
| コンテンツ担当者 | メッセージ作成、配信実行 | 運用担当者 |
| カスタマーサポート | 1対1チャット対応 | 運用担当者(配信権限なし) |
| アルバイトスタッフ | 基本的な問い合わせ対応 | 運用担当者(分析閲覧権限なし) |
運用ルールの策定
チーム全体で統一した対応を行うために、以下のような運用ルールを設定しましょう。
- 配信スケジュールと承認フロー
- チャット対応の標準回答集
- エスカレーション基準
- 緊急時の連絡体制
- 個人情報の取り扱い方針
まとめ
LINE公式アカウントの複数人管理は、適切な権限設定と明確な運用ルールがあれば、業務効率化と顧客サービス向上の強力な手段となります。
最大100人まで管理者を追加できる機能を活用し、各メンバーの役割に応じた権限設定を行うことで、セキュリティを保ちながら効率的な運用が可能です。また、情報共有の仕組み作りやセキュリティ対策の徹底により、リスクを最小限に抑えながら運用できます。
複数人管理を検討している企業や店舗の皆様は、本記事でご紹介した手順と注意点を参考に、自社に最適な運用体制を構築してください。