新卒・中途採用で応募者との接点づくりに課題を感じているなら、LINE公式アカウントの活用を検討する価値があります。メールでは見てもらえない、電話はタイミングが合わない、採用管理システムだけでは温度感を保ちにくい、といった悩みを補いやすいからです。この記事では、LINE公式アカウントを採用に活用する方法と、成果につなげるための考え方をわかりやすく解説します。
LINE公式アカウントは、応募者に情報を届けやすい、選考連絡をスムーズにしやすい、新卒・中途それぞれに合わせた情報設計がしやすい点が大きな強みです。一方で、配信頻度や導線設計を誤るとブロックにつながるため、「とにかく送る」運用ではなく、応募者視点での設計が欠かせません。
LINE公式アカウントが採用で注目される理由
LINEは、幅広い年代に日常的に使われているコミュニケーション手段です。国内月間アクティブユーザーは1億人以上(2025年12月末時点、LINEヤフー株式会社発表)とされており、日常的に使うアプリ上で採用情報を届けられる点は大きなメリットです。
出典:LINEヤフー株式会社
また、LINE公式アカウントの平均開封率は約55%(2022年6月 LINEヤフー株式会社調べ)とされており、一般的なメールマガジンの平均開封率約20%前後と比べても、見てもらえる可能性が高いチャネルといえます。採用活動では「送ったか」よりも「見てもらえたか」が重要なため、この差は無視できません。
出典:LINEヤフー株式会社
LINE公式アカウントを新卒・中途採用で活用する方法
説明会や募集情報の案内を届ける
まず活用しやすいのが、会社説明会や求人公開、エントリー開始のお知らせです。採用サイトやナビ媒体だけに掲載するよりも、友だち追加済みの候補者へ直接案内できるため、情報の見逃しを防ぎやすくなります。
- 会社説明会の開催案内
- 募集職種の追加・締切情報
- インターンやカジュアル面談の案内
- 選考フロー変更のお知らせ
日程調整やリマインド連絡をしやすくする
採用現場では、面接日程の調整や前日リマインド、書類提出の案内など、細かな連絡が多く発生します。LINE公式アカウントを使えば、候補者が普段見慣れた画面で確認しやすく、連絡の取りこぼしを減らしやすくなります。特に新卒採用では、説明会参加後から一次面接までの離脱防止に役立ちます。
希望条件に合わせて情報を出し分ける
新卒と中途では、知りたい情報が異なります。さらに中途採用でも、職種、勤務地、働き方、経験年数によって関心は分かれます。そこで重要になるのが、属性や希望条件に応じた情報の出し分けです。全員に同じ内容を送るより、候補者に必要な情報だけを届けるほうが、反応も満足度も高めやすくなります。
- 新卒向け:社風、研修、キャリアパス、選考日程
- 中途向け:仕事内容、裁量、年収レンジ、配属先情報
- 職種別:営業、エンジニア、バックオフィスごとの情報
- 地域別:勤務地や働き方に応じた案内
内定者フォローや辞退防止にも活かせる
LINE公式アカウントは、応募獲得だけでなく、内定後のフォローにも活用できます。入社前イベントの案内、提出書類の連絡、先輩社員インタビューの共有などを通じて、不安の軽減や入社意欲の維持につなげやすくなります。新卒採用では内定から入社までの期間が長くなりやすいため、接点維持の手段として相性が良いでしょう。
LINE採用のメリットと注意点
| 項目 | メリット | 注意点 |
|---|---|---|
| 情報の到達率 | 日常利用されるアプリ上で見てもらいやすい | 配信頻度が高すぎると逆効果になりやすい |
| 連絡のしやすさ | 説明会案内、面接連絡、リマインドをまとめやすい | 運用ルールがないと属人化しやすい |
| 情報の出し分け | 新卒・中途・職種別に必要な情報を届けやすい | 設計が曖昧だと一斉配信中心になりやすい |
| 辞退防止 | 継続接点をつくり、温度感を保ちやすい | 売り込み色が強いと離脱につながる |
特に注意したいのがブロックです。LINEの平均ブロック率は約36%とされており、単に友だち数を増やすだけでは成果につながりません。応募者にとって必要性の低い情報を何度も送ると、採用広報の効果が落ちる可能性があります。
出典:LINEヤフー for Business公式note
成果につなげる成功ポイント
1. 採用フェーズごとに役割を分ける
LINE公式アカウントを万能な連絡手段にするのではなく、説明会集客、応募促進、面接リマインド、内定者フォローなど、フェーズごとに役割を定めることが重要です。目的が曖昧だと、配信内容も評価指標もぶれやすくなります。
2. 応募者が知りたい情報を先回りして届ける
新卒なら「働くイメージが持てるか」、中途なら「自分に合う仕事か」が重要です。企業が伝えたい情報だけでなく、候補者が不安に感じやすい情報を先回りして届けると、登録後の離脱を防ぎやすくなります。
3. 配信頻度を増やしすぎない
LINE公式アカウントのブロック理由として最も多く挙げられるのが、配信頻度の多さです。採用活動ではつい案内を増やしがちですが、毎回すべての候補者に送るのではなく、対象を絞って送る考え方が欠かせません。
出典:モビルス株式会社「消費者のLINE公式アカウント利用実態調査」
4. 新卒と中途で配信内容を分ける
同じ採用でも、新卒と中途では検討軸が異なります。新卒は企業理解や不安解消、中途は仕事内容や条件確認の比重が大きくなりやすいため、同じ原稿を流用しないことが大切です。
5. 連絡業務だけで終わらせない
LINE公式アカウントは、単なる連絡ツールとして使うだけでは効果が限定的です。説明会後のフォロー、アンケートによる希望条件の取得、興味度に応じた案内など、応募者体験を設計してこそ価値が高まります。
- 新卒採用と中途採用のどちらを優先するか
- 説明会集客、応募促進、辞退防止のどこに課題があるか
- 誰が配信文面を作成し、誰が返信対応するか
- 友だち追加数だけでなく、面接参加率や辞退率まで見るか
人材サービス領域で参考になる活用事例
採用担当者向けの事例そのものではありませんが、人材サービス各社が求職者とのLINEコミュニケーションで成果を上げており、候補者への情報の出し分けという点で採用活動にも応用できるヒントがあります。
たとえば、株式会社じげんでは、新規友だちに配信したアンケートで約60%が全問回答しており、求職者の希望条件を無理なく取得する設計の参考になります。回答してもらいやすいUIの工夫と、送る対象を絞り込む運用がポイントとされています。
出典:Ligla導入事例(株式会社じげん)
また、看護師領域の人材サービスを展開する株式会社エス・エム・エスでも、求職者とのコミュニケーション基盤としてLiglaが活用されています。人材領域では、情報量を増やすよりも、候補者ごとに関連性の高い情報を届ける設計が重要だとわかります。
出典:Ligla導入事例(株式会社エス・エム・エス)
よくある質問
新卒採用と中途採用で同じアカウントを使ってもよいですか
運用自体は可能ですが、配信内容を分けられないと情報が混在しやすくなります。登録導線やアンケートで対象を分け、必要に応じて配信設計を変えることが大切です。
LINE公式アカウントは面接日程調整にも使えますか
使えます。面接候補日の案内、前日リマインド、持ち物連絡など、確認漏れを防ぎたい場面と相性が良いです。ただし、個別対応の運用ルールは事前に決めておきましょう。
応募者への配信頻度はどのくらいが適切ですか
一律の正解はありませんが、選考フェーズに応じて必要な連絡だけを送る考え方が基本です。説明会前後、面接前日、内定後など、意味のあるタイミングに絞るとブロックを防ぎやすくなります。
LINE公式アカウントだけで採用成果は上がりますか
LINE公式アカウントは強力な接点ですが、それだけで成果が決まるわけではありません。採用サイト、求人媒体、説明会設計、面接体験と組み合わせて運用することで、より効果を発揮しやすくなります。
まとめ
LINE公式アカウントは、新卒・中途採用における応募者との接点を強化しやすい手段です。見てもらいやすい連絡チャネルとして活用できるだけでなく、情報の出し分けやフォロー設計によって、説明会参加率や面接移行率、辞退防止にもつなげやすくなります。
ただし、成果を出すには「友だち追加を増やすこと」だけを目的にしないことが重要です。誰に、何を、どのタイミングで届けるかを整理し、採用フロー全体の中でLINE公式アカウントの役割を設計しましょう。
一方で、候補者ごとの出し分けやリマインドを手作業で続けると、採用担当者の配信工数はどうしても膨らみがちです。配信作業の負担や効果の伸び悩みを感じ始めたら、運用ツールの導入も選択肢になります。ツールで何がどう変わるのかは、以下の記事で7つのメリットとして具体的に解説しています。