「LINE公式アカウントを特定の人だけに見せたい」
「限定的に運用したい」とお考えの方も多いのではないでしょうか。
今回はLINEマーケティング自動化サービスLigla(リグラ)のカスタマーサクセスチームが、LINE公式アカウントを特定のユーザーのみに公開・配信する方法について、どなたにでも分かりやすく解説いたします。
LINE公式アカウント自体を完全非公開にできるのか?
結論から申し上げますと、LINE公式アカウント自体を完全に非公開にする機能は存在しません。これはLINEの仕様によるもので、アカウントそのものを特定の人だけに限定公開することはできない設計になっています。
しかし、諦める必要はございません。LINE公式アカウントでは、以下のような方法を組み合わせることで、実質的に特定の人だけに情報を届ける運用が可能です。
アカウント全体の非公開はできませんが、各機能ごとに細かく公開範囲を設定し、友だち追加を限定的にすることで、特定の人だけに情報を届ける運用が実現できます。
特定の人だけに友だち追加してもらう方法
LINE公式アカウントを特定の人だけに利用してもらうためには、友だち追加の方法を限定することが最も効果的です。以下の方法を組み合わせることで、特定のユーザーのみに友だち追加してもらうことができます。
QRコードやURLを直接配布する方法
最も一般的で効果的な方法が、友だち追加用のQRコードやURLを特定の人にのみ直接配布する方法です。
- 店舗の会員様にのみQRコードを印刷したカードを配布
- 既存顧客にメールでURLを送付
- セミナー参加者にのみQRコードを提示
- 特定のWebページにのみ友だち追加ボタンを設置
管理画面から複数の友だち追加経路を作成できるため、配布先ごとに異なるQRコードやURLを用意することで、どの経路から友だち追加されたかを分析することも可能です。
検索結果に表示させない設定
LINEアプリ内での検索結果に表示されないようにすることで、不特定多数の人に発見されることを防げます。
- LINE Official Account Managerにログイン
- 「設定」メニューを選択
- 「アカウント設定」を開く
- 「検索結果での表示」を「非表示」に変更
- 設定を保存
この設定により、新規ユーザーがLINEアプリ内でアカウント名を検索しても、検索結果に表示されなくなります。
Web版プロフィールを非公開にする
認証済みアカウントの場合、Web上にプロフィールページが公開されます。これを非公開にする設定も重要です。
- LINE Official Account Managerの「プロフィール」を開く
- 画面右側の歯車アイコンをクリック
- 「Web版プロフィール」のチェックを外す
- 設定を保存
特定の人だけにメッセージを配信する方法
友だちになった後も、特定の人だけに絞り込んでメッセージを配信する機能が充実しています。これにより、より精度の高いターゲティングが可能です。
タグ機能を活用した配信
タグ機能は、友だちに対して任意のラベルを付けて分類できる機能です。特定のタグが付いた友だちのみに配信することで、限定的なメッセージ配信が実現できます。
| 手順 | 操作内容 |
|---|---|
| 1. タグの作成 | 管理画面の「チャット」→「チャット設定」→「タグ」から新規作成 |
| 2. タグの付与 | 個別のチャット画面から対象の友だちにタグを付与 |
| 3. 配信設定 | メッセージ配信画面で「絞り込み」→「タグ」を選択して配信 |
オーディエンス機能によるセグメント配信
オーディエンス機能を使うことで、さまざまな条件で友だちをグループ化し、特定のグループのみに配信できます。
- 特定のQRコードから友だち追加したユーザー
- 過去のメッセージ内のリンクをクリックしたユーザー
- 特定のメッセージを開封したユーザー
- 年齢や性別などの属性情報
- 地域情報
これらの条件を組み合わせることで、非常に精度の高いターゲティング配信が可能になります。
除外配信の活用
逆に、特定の人に配信しない設定も可能です。例えば、すでに購入済みのお客様を除外して新規顧客向けのキャンペーンを配信するなど、柔軟な運用ができます。
- 除外したい友だちにタグを付与
- メッセージ配信画面で「絞り込み」を選択
- 除外するタグやオーディエンスを指定
- 配信を実行
限定公開が可能なコンテンツと設定方法
LINE公式アカウントでは、特定の機能について公開範囲を細かく設定することができます。これらを適切に活用することで、より効果的な限定公開運用が可能です。
クーポンの限定公開
クーポン機能では、公開範囲を「すべてのLINEユーザー」または「友だちのみ」から選択できます。友だち限定のクーポンを作成することで、リピーター向けの特別なサービスを提供できます。
新規友だち追加特典として限定クーポンを配布したり、VIP顧客向けの特別割引クーポンを友だちのみに提供するなど、顧客ロイヤリティ向上に効果的です。
リサーチ(アンケート)の限定公開
リサーチ機能も同様に公開範囲を設定できます。「すべてのLINEユーザー」に公開すれば広範囲な市場調査に、「友だちのみ」に限定すれば既存顧客の満足度調査などに活用できます。
リッチメニューの表示期間設定
リッチメニューでは表示期間を設定することで、期間限定の情報提供が可能です。
- LINE Official Account Managerの「リッチメニュー」を選択
- 対象のリッチメニューの編集画面を開く
- 「表示期間」を設定
- 開始日時と終了日時を指定
- 設定を保存
期間限定キャンペーンや季節商品の宣伝など、タイムリーな情報提供に効果的です。
非公開にできない項目と対処法
残念ながら、LINE公式アカウントでは以下の項目について非公開設定ができません。これらを理解した上で運用することが重要です。
| 項目 | 制限内容 | 対処法 |
|---|---|---|
| 友だち数 | プロフィール画面に常に表示される | 非公開にする方法はありません |
| LINE VOOMの投稿 | 公開後に非公開へ変更不可 | 投稿の削除のみ可能 |
| 公開済みクーポン | 非公開への変更不可 | クーポンの終了のみ可能 |
認証済みアカウントと未認証アカウントの違い
LINE公式アカウントには「認証済みアカウント」と「未認証アカウント」の2種類があり、それぞれ公開範囲に違いがあります。
未認証アカウントの特徴
- 審査不要で作成可能
- アカウント名の変更が自由
- LINEアプリ内での検索結果に表示されない
- Web版プロフィールが作成されない
特定の人だけに公開したい場合、未認証アカウントの方がより限定的な運用が可能です。
認証済みアカウントの特徴
- LINE社の審査が必要
- アカウント名の変更に制限
- LINEアプリ内での検索が可能(設定で非表示可能)
- Web版プロフィールが利用可能(設定で非公開可能)
- LINE広告の利用が可能
効果的な限定公開の活用シーン
特定の人だけに公開する機能は、さまざまなビジネスシーンで効果を発揮します。
会員制サービスでの活用
- 会員証にQRコードを印刷して会員のみに配布
- 会員限定クーポンや特別情報の配信
- 会員向けイベントの先行案内
社内コミュニケーションでの活用
- 社員のみに友だち追加URLを共有
- 部署ごとにタグを付けて必要な情報のみ配信
- 社内イベントや連絡事項の共有
限定イベントでの活用
- セミナー参加者にのみQRコードを提示
- イベント限定特典の配布
- 参加者向けフォローアップ情報の配信
設定時の注意点とトラブル対処法
LINE公式アカウントを特定の人だけに公開・配信する際の注意点をまとめました。
よくある設定ミス
- 検索結果の非表示設定を忘れて一般公開されてしまう
- 配信時の絞り込み設定を忘れて全員に配信してしまう
- タグの付け忘れや付け間違い
- 設定変更後の保存忘れ
トラブル時の対処方法
- 設定画面で各項目を再確認する
- ブラウザのキャッシュをクリアして再度確認
- 異なるデバイスで動作確認を行う
- LINE公式アカウントのサポートに問い合わせる
設定変更後は必ず動作確認を行い、意図した通りに機能しているかを複数のデバイスで確認してください。特に配信テストは少人数で行ってから本配信することをおすすめします。
個人LINEアカウントでの非公開設定
LINE公式アカウントの運営がバレないようにするため、個人LINEアカウントでの設定も重要です。
フォロワー情報の非公開設定
2024年10月から導入されたLINE VOOMの自動フォロー機能により、あなたがフォローしているLINE公式アカウントが友だちに見られる可能性があります。以下の設定を確認してください。
- 個人LINEのホーム画面で設定(⚙)をタップ
- 「LINE VOOM」をタップ
- 「フォロー設定」をタップ
- 「フォロワー情報を公開」がOFFになっていることを確認
2025年最新の機能アップデート情報
LINE公式アカウントは定期的に機能がアップデートされています。2025年の最新情報についてご紹介いたします。
- LINE VOOMの自動フォロー機能導入(2024年10月〜)
- プライバシー設定の強化
- オーディエンス機能の条件追加
- セグメント配信の精度向上
最新の機能や仕様変更については、LINE for Business公式サイトで随時確認することをおすすめいたします。
まとめ:LINE公式アカウントを特定の人だけに公開する方法
LINE公式アカウント自体を完全に非公開にすることはできませんが、さまざまな機能を組み合わせることで、特定の人だけに情報を届ける効果的な運用が可能です。
重要なポイントをまとめますと、以下の通りです。
- 友だち追加をQRコードやURLの直接配布に限定する
- 検索結果やWeb版プロフィールの非表示設定を活用する
- タグ機能やオーディエンス機能で配信先を細かく制御する
- クーポンやリサーチの公開範囲を適切に設定する
- 個人LINEアカウントの設定も忘れずに確認する
- 定期的な設定見直しと動作確認を実施する
これらの機能を適切に活用することで、会員制サービス、社内コミュニケーション、限定イベントなど、さまざまなシーンで効果的なLINEマーケティングを実現できます。
マーケティング初心者の方も、まずは友だち追加方法の限定と基本的な非公開設定から始めて、徐々にタグ機能やセグメント配信などの高度な機能にチャレンジしてみてください。設定方法で不明な点がございましたら、各機能の詳細は公式サイトをご確認ください。