LINEマーケティング自動化サービスLigla(リグラ)のカスタマーサクセスチームが、LINE公式アカウントのステップ配信について徹底解説します。
2025年現在、LINEは国内で9,600万人以上が利用するコミュニケーションプラットフォームとして、企業のマーケティング活動に欠かせない存在となっています。
その中でもステップ配信機能は、顧客との関係構築を自動化し、効率的に成果を上げるための重要なツールです。
本記事では、マーケティング初心者の方でも実践できるよう、基本的な仕組みから具体的な設定方法、料金体系、そして成功事例まで、わかりやすくご紹介します。
LINE公式アカウントのステップ配信とは?
ステップ配信とは、ユーザーの特定の行動をきっかけに、あらかじめ用意したメッセージを決められたタイミングで順番に自動配信する機能のことです。
従来のメールマーケティングで使われていた「ステップメール」のLINE版と考えていただくとわかりやすいでしょう。例えば、あなたのお店の公式LINEアカウントを友だち追加してくれたお客様に対して、次のような流れで自動的にメッセージを送ることができます。
- 友だち追加直後:お礼メッセージと初回特典クーポン
- 3日後:商品やサービスの詳しい説明
- 7日後:期間限定のキャンペーン情報
- 30日後:リピーター向けの特別オファー
この一連の流れを一度設定すれば、新しく友だちになってくれた方全員に対して、自動的に適切なタイミングで情報を届けることができます。手動で一人ひとりにメッセージを送る必要がなくなるため、時間と労力を大幅に削減できるのが大きな特徴です。
ステップ配信は「友だち追加」や「特定のオーディエンス」をきっかけとして開始でき、配信日時を細かく設定することで、ユーザーの関心が高いタイミングを逃さず情報提供できます。
ステップ配信がもたらす5つのメリット
LINE公式アカウントのステップ配信を活用することで、以下のような多くのメリットを得ることができます。
1. 顧客育成の自動化による効率アップ
友だち追加直後は、ユーザーがあなたのビジネスに最も興味を持っているタイミングです。このゴールデンタイムを逃さず、段階的に価値ある情報を提供することで、見込み顧客を優良顧客へと育成することができます。一度シナリオを組めば、すべて自動で動作するため、人的リソースを大幅に削減できます。
2. 運用負荷の大幅な削減
従来は新規の友だちが増えるたびに手動でメッセージを送る必要がありましたが、ステップ配信なら設定後は完全自動化できます。深夜や休日でも設定したスケジュール通りに配信されるため、24時間365日、機会損失なく顧客とコミュニケーションを取ることが可能です。
3. 高い開封率とエンゲージメント
LINEのメッセージは平均開封率が約60〜80%と、メールの開封率(約20%前後)と比較して圧倒的に高いのが特徴です。ユーザーの日常的なコミュニケーションツール内で配信されるため、見逃されにくく、高いエンゲージメントを期待できます。
4. パーソナライズされた顧客体験の提供
ユーザーの行動や属性に応じて配信内容を変えることで、一人ひとりに最適化された情報提供が可能です。これにより顧客満足度が向上し、ブロック率の低下にもつながります。
5. コンバージョン率の向上
適切なタイミングで適切な情報を提供することで、購買意欲が高まったベストタイミングでオファーを届けることができます。その結果、売上やコンバージョン率の向上が期待できます。
2025年最新の料金プランとコスト
LINE公式アカウントのステップ配信を利用する際、料金体系を正しく理解しておくことが重要です。2023年6月に料金改定が行われ、2025年現在は以下の3つのプランが用意されています。
基本料金プラン一覧
| プラン名 | 月額料金(税込) | 無料メッセージ通数 | 追加配信 |
|---|---|---|---|
| コミュニケーションプラン | 0円 | 200通 | 不可 |
| ライトプラン | 5,500円 | 5,000通 | 不可 |
| スタンダードプラン | 16,500円 | 30,000通 | 可能(3円/通〜) |
ステップ配信で送信されるメッセージも、通常のメッセージ配信と同様にこの配信通数にカウントされます。そのため、友だち数と配信頻度に応じて適切なプランを選択することが重要です。
友だち数別の配信回数の目安
- 友だち100人:コミュニケーションプランで月2回配信可能
- 友だち500人:ライトプランで月10回配信可能
- 友だち1,000人:ライトプランで月5回配信可能
- 友だち5,000人:スタンダードプランで月6回配信可能
- 友だち10,000人:スタンダードプランで月3回配信可能
メッセージ通数の上限を超えた場合、コミュニケーションプランとライトプランでは配信が停止されます。スタンダードプランのみ追加料金で配信継続が可能です。配信停止を避けるため、余裕を持ったプラン選択をおすすめします。
ステップ配信の具体的な設定方法
ここからは、実際にステップ配信を設定する手順を詳しく解説します。初めての方でも迷わず設定できるよう、ステップごとに説明していきます。
基本設定の7ステップ
- LINE公式アカウントの管理画面にログインします
- 左側のメニューから「ステップ配信」をクリックします
- 「新しいステップ配信を作成」ボタンを選択します
- 管理用のタイトルを入力します(ユーザーには表示されません)
- タイムゾーンを「日本標準時(JST)」に設定します
- 配信の有効期間を設定します(必要に応じて)
- 配信数の上限を設定します(プランの上限内で調整)
開始条件の設定
ステップ配信の開始条件は、以下の2種類から選択できます。
| 開始条件 | 説明 | 活用シーン |
|---|---|---|
| 友だち追加 | ユーザーがアカウントを友だち追加した時点 | 新規顧客の育成、ウェルカムメッセージ |
| オーディエンス | 特定の条件に合致したユーザーグループ | 購入者向け、イベント参加者向けなど |
メッセージ配信の詳細設定
各メッセージの配信タイミングと内容を設定します。
- 配信タイミング:開始条件から「○日後」を指定(0日後=即時配信も可能)
- 配信時間帯:1時間単位で時間を指定(例:19時〜20時)
- メッセージ内容:テキスト、画像、クーポン、カードタイプメッセージなどを組み合わせて作成
- 条件分岐:メッセージへの反応に応じて、次の配信内容を変更可能
ユーザーが最もLINEを開きやすい時間帯は、朝の通勤時間(7〜9時)、昼休み(12〜13時)、夕方以降(19〜21時)です。業種やターゲット層に応じて、最適な時間帯を選びましょう。
業種別の効果的な活用事例
実際にステップ配信を活用して成果を上げている事例をご紹介します。
飲食店での活用事例
あるカフェチェーンでは、以下のようなステップ配信を実施しました。
- 友だち追加直後:お礼メッセージと初回来店で使える500円クーポンを配信
- 3日後:人気メニューTOP3の紹介と店舗の雰囲気を伝える写真を配信
- 7日後:期間限定の新メニュー情報と2回目来店用の300円クーポンを配信
- 30日後:常連客向けのスタンプカード特典とバースデー特典の案内を配信
この施策により、初回来店率が45%向上し、リピート率も28%改善されました。
ECサイトでの活用事例
化粧品を販売するECサイトでは、商品購入をきっかけとしたステップ配信を実施しています。
- 購入直後:購入のお礼と商品の使い方ガイド動画のリンクを配信
- 1週間後:商品の効果的な使用方法と関連商品の紹介
- 2週間後:レビュー投稿のお願いと、投稿者向けの次回購入20%OFFクーポン
- 25日後:商品がなくなる頃を見計らって、リピート購入を促す特別オファー
この取り組みにより、リピート購入率が35%向上し、顧客生涯価値(LTV)が1.5倍に増加しました。
採用活動での活用事例
IT企業の採用担当者は、会社説明会参加者向けのステップ配信を活用しています。
- 説明会参加直後:参加のお礼と当日資料のPDFを配信
- 3日後:先輩社員の1日の働き方を紹介する記事リンクを配信
- 7日後:福利厚生の詳細説明と応募フォームへの案内
- 14日後:応募締切のリマインドと、質問受付用のチャット案内
この施策により、説明会参加者からの応募率が42%向上しました。
成功させるための5つの運用ポイント
ステップ配信を効果的に活用するために、以下のポイントを押さえましょう。
1. ユーザー視点でのシナリオ設計
企業が伝えたい情報ではなく、ユーザーが知りたい情報、役立つ情報を優先してシナリオを組みましょう。一方的な宣伝ばかりでは、ブロックされてしまう可能性が高まります。
2. 適切な配信頻度の設定
配信が多すぎるとユーザーに煩わしさを感じさせ、少なすぎると存在を忘れられてしまいます。業種や商品特性に応じて、最適な配信頻度を見つけることが重要です。一般的には、週に1〜2回程度が適切とされています。
3. リッチコンテンツの活用
テキストだけでなく、画像、動画、クーポン、カードタイプメッセージなど、視覚的に訴求力の高いコンテンツを組み合わせることで、ユーザーの関心を引きつけやすくなります。
4. 効果測定と継続的な改善
LINE公式アカウントの分析機能を活用して、以下の指標を定期的にチェックしましょう。
| 測定指標 | 目標値の目安 | 改善のヒント |
|---|---|---|
| 開封率 | 60%以上 | 配信時間帯の見直し、タイトルの改善 |
| クリック率 | 15%以上 | メッセージ内容の見直し、CTA(行動喚起)の強化 |
| ブロック率 | 5%未満 | 配信頻度の調整、価値ある情報の提供 |
| コンバージョン率 | 業種により異なる | オファーの魅力度向上、導線の最適化 |
5. A/Bテストの実施
配信時間、メッセージ内容、画像の種類などを変えて、どのパターンが最も効果的かをテストしましょう。データに基づいた改善を繰り返すことで、配信効果を最大化できます。
注意すべき制限事項と対処法
ステップ配信を運用する際は、以下の制限事項に注意が必要です。
メッセージ通数の上限
料金プランごとに設定されたメッセージ通数の上限を超えると、コミュニケーションプランとライトプランでは配信が自動停止されます。友だち数の増加を見越して、余裕のあるプラン選択をおすすめします。
配信時間の制約
LINE公式アカウントのステップ配信では、配信時間を1時間単位でしか設定できません(例:19時〜20時)。より細かい時間設定や、ユーザーの行動に応じた即時配信が必要な場合は、LステップやエルメなどのLINE拡張ツールの活用を検討しましょう。
ブロック時の配信停止
ユーザーがアカウントをブロックすると配信が停止され、ブロック解除後は新規の友だち追加として扱われます。そのため、ブロック率を低く保つことが長期的な成功の鍵となります。
開始条件の限定
2025年現在、開始条件として設定できるのは「友だち追加」と「オーディエンス」のみです。特定のメッセージへのリアクションや、外部サイトでの行動をトリガーにしたい場合は、外部ツールとの連携が必要です。
LINE公式アカウント単体では制限がある機能も、LステップやLigla(リグラ)などの拡張ツールを活用することで、より高度な配信設定が可能になります。ビジネスの成長に合わせて、ツールの導入も検討しましょう。
まとめ:ステップ配信で顧客との関係を自動で構築する
LINE公式アカウントのステップ配信は、顧客との長期的な関係構築と売上向上を同時に実現できる強力なマーケティングツールです。2025年現在の料金体系では、無料のコミュニケーションプランから始められるため、小規模事業者でも気軽に導入できます。
成功のポイントは以下の3つです。
- ユーザー視点に立った価値あるコンテンツの提供
- データに基づいた継続的な改善と最適化
- 適切な料金プランの選択と配信頻度の管理
本記事でご紹介した設定方法と活用事例を参考に、自社のビジネス目標に合わせたステップ配信戦略を構築してください。一度設定すれば24時間365日働き続ける「自動営業マン」として、あなたのビジネスを強力にサポートしてくれるはずです。
まずは無料のコミュニケーションプランで小規模なシナリオから始め、効果を確認しながら段階的に規模を拡大していくことをおすすめします。LINEマーケティングの効果を最大化し、ビジネスの成長を加速させましょう。