LINE公式アカウントのステップ配信は、ユーザーの行動をきっかけに、用意したメッセージを段階的に自動配信できる機能です。「友だち追加直後にお礼クーポン、3日後に商品紹介、7日後にキャンペーン情報」といった顧客育成シナリオを、一度設定するだけで自動運用できます。
本記事では、ステップ配信とは何か、通常配信との違い、メリット、設定方法、事例、制限事項までを2026年最新情報で解説します。
LINE公式アカウントのステップ配信とは

ステップ配信とは、ユーザーの特定の行動をきっかけに、用意したメッセージを決められたタイミングで順番に自動配信する機能です。従来のメールマーケティングの「ステップメール」のLINE版と考えるとわかりやすいでしょう。上図のように、友だち追加から30日後まで段階的にメッセージを届けることで、新規顧客をリピーターへと育成できます。
ステップ配信と通常配信の3つの違いを比較
LINE公式アカウントには主に3つのメッセージ配信方法があります。違いを理解することで、目的に応じた最適な配信方法を選べます。
| 項目 | 通常配信(一斉配信) | スケジュール配信 | ステップ配信 |
|---|---|---|---|
| 配信対象 | 友だち全員(セグメント設定可) | 友だち全員(セグメント設定可) | 個別の友だち |
| 配信タイミング | 即時配信 | 指定した特定の日時 | 友だち追加からの経過日数 |
| 配信方法 | 手動で都度配信 | 予約設定で自動配信 | 自動的に段階配信 |
| 主な用途 | 緊急のお知らせ・即時対応 | キャンペーン告知・イベント案内 | 顧客育成・関係構築 |
| 設定の複雑さ | 簡単 | 簡単 | やや複雑 |
通常配信・スケジュール配信の特徴
通常配信は友だち全員に即座に送信する最もシンプルな方法で、緊急のお知らせに適しています。スケジュール配信は特定の日時を指定して一斉送信する機能で、キャンペーン告知やイベント案内に向いています。どちらも「全員に同じ内容を届ける」点が共通しています。
ステップ配信の特徴
ステップ配信は、友だち追加などの行動を起点に、個別の友だちに時間差で自動配信する機能。「友だちごとの経過日数」を基準にメッセージが届くため、顧客育成や関係構築に特化した使い方ができます。条件分岐により、友だちごとに異なる内容を配信することも可能です。
ステップ配信の5つのメリット

LINE公式アカウントのステップ配信には、主に5つのメリットがあります。
1. 顧客育成の自動化による効率アップ
友だち追加直後はユーザーの興味が最も高いゴールデンタイム。このタイミングを逃さず段階的に情報を提供することで、見込み顧客を優良顧客へと育成できます。
2. 運用負荷の大幅な削減
設定後は完全自動化できるため、深夜や休日でもスケジュール通りに配信されます。24時間365日、機会損失なく顧客とコミュニケーションを取れます。
3. 高い開封率とエンゲージメント
LINEの平均開封率は約55%(2022年6月 LINEヤフー株式会社調べ)。メールの開封率(一般的に10〜20%程度)と比較して圧倒的に高く、見逃されにくいのが強みです。
出典:LINEヤフー株式会社
4. パーソナライズされた顧客体験
ユーザーの行動や属性に応じて配信内容を変えることで、一人ひとりに最適化された情報提供が可能。顧客満足度の向上とブロック率の低下につながります。
5. コンバージョン率の向上
購買意欲が高まったベストタイミングでオファーを届けられるため、売上やコンバージョン率の向上が期待できます。
2026年最新のLINE公式アカウント料金プランと配信コスト
ステップ配信を利用する際は、料金体系の理解が重要です。2026年現在、LINE公式アカウントには以下の3プランがあります。
| プラン名 | 月額料金(税別) | 無料メッセージ通数 | 追加配信 |
|---|---|---|---|
| コミュニケーションプラン | 0円 | 200通 | 不可 |
| ライトプラン | 5,000円 | 5,000通 | 不可 |
| スタンダードプラン | 15,000円 | 30,000通 | 可能(従量課金) |
出典:LINEヤフー for Business
ステップ配信の具体的な設定方法
実際にステップ配信を設定する手順を解説します。初めての方でも迷わず設定できるよう、順番に説明します。
基本設定の7ステップ
- LINE公式アカウントの管理画面にログインする
- 左側のメニューから「ステップ配信」をクリックする
- 「新しいステップ配信を作成」ボタンを選択する
- 管理用のタイトルを入力する(ユーザーには表示されない)
- タイムゾーンを「日本標準時(JST)」に設定する
- 配信の有効期間を設定する(必要に応じて)
- 配信数の上限を設定する(プランの上限内で調整)
開始条件の設定
ステップ配信の開始条件は、以下の2種類から選択できます。
| 開始条件 | 説明 | 活用シーン |
|---|---|---|
| 友だち追加 | ユーザーがアカウントを友だち追加した時点 | 新規顧客の育成、ウェルカムメッセージ |
| オーディエンス | 特定の条件に合致したユーザーグループ | 購入者向け、イベント参加者向けなど |
メッセージ配信の詳細設定
各メッセージの配信タイミングと内容を設定します。
- 配信タイミング:開始条件から「○日後」を指定(0日後=即時配信も可能)
- 配信時間帯:1時間単位で指定(例:19時〜20時)
- メッセージ内容:テキスト、画像、クーポンなどを組み合わせて作成
- 条件分岐:メッセージへの反応に応じて、次の配信内容を変更可能
業種別の効果的な活用事例
ステップ配信で成果を上げている事例を紹介します。
飲食店での活用事例
あるカフェチェーンでは、以下のステップ配信を実施しました。
- 友だち追加直後:お礼メッセージと初回来店用の500円クーポン
- 3日後:人気メニューTOP3の紹介と店舗写真
- 7日後:期間限定の新メニュー情報と2回目来店用の300円クーポン
- 30日後:常連客向けのスタンプカード特典とバースデー特典
この施策により、初回来店率が45%向上し、リピート率も28%改善されました。
ECサイトでの活用事例
化粧品ECサイトでは、商品購入をきっかけとしたステップ配信を実施しています。
- 購入直後:購入のお礼と使い方ガイド動画のリンク
- 1週間後:効果的な使用方法と関連商品の紹介
- 2週間後:レビュー投稿のお願いと次回20%OFFクーポン
- 25日後:商品がなくなる頃を見計らったリピート購入オファー
この取り組みにより、リピート購入率が35%向上し、顧客生涯価値(LTV)が1.5倍に増加しました。
ステップ配信を成功させる運用ポイント

ステップ配信を効果的に活用するための4つのポイントを押さえましょう。
ユーザー視点でのシナリオ設計
企業が伝えたい情報ではなく、ユーザーが知りたい・役立つ情報を優先してシナリオを組みましょう。一方的な宣伝はブロックの原因になります。
適切な配信頻度の設定
配信が多すぎると煩わしく、少なすぎると忘れられます。一般的には週1〜2回程度が適切です。
リッチコンテンツの活用
画像、動画、クーポン、カードタイプメッセージなど視覚的に訴求力の高い形式を組み合わせると、関心を引きつけやすくなります。
効果測定と継続的な改善
分析機能で以下の指標を定期的にチェックし、PDCAを回しましょう。
| 測定指標 | 目標値の目安 | 改善のヒント |
|---|---|---|
| 開封率 | 55%以上 | 配信時間帯の見直し、タイトルの改善 |
| クリック率 | 15%以上 | メッセージ内容の見直し、CTAの強化 |
| ブロック率 | 5%未満 | 配信頻度の調整、価値ある情報の提供 |
| コンバージョン率 | 業種により異なる | オファーの魅力度向上、導線の最適化 |
注意すべき制限事項と対処法
ステップ配信を運用する際は、以下の制限事項に注意が必要です。
メッセージ通数の上限
プランごとのメッセージ通数の上限を超えると、コミュニケーションプランとライトプランでは配信が自動停止されます。友だち数の増加を見越して、余裕のあるプランを選びましょう。
ステップ数と配信間隔の制限
ステップ配信には最大10通まで、配信間隔は最大30日後までという制限があります。長期的な顧客育成や10ステップ以上の複雑なシナリオには、LINE拡張ツールの活用がおすすめです。
配信時間の細かい指定ができない
配信時間は1時間単位でしか指定できません。「21時ぴったり」ではなく「20〜21時」のような幅のある設定になるため、ぴったりのタイミング配信を狙う場合は注意が必要です。
ブロック時の配信停止
ユーザーがブロックすると配信が停止され、解除後は新規の友だち追加として扱われます。ブロック率を低く保つことが長期的な成功の鍵です。
まとめ
LINE公式アカウントのステップ配信は、ユーザーの行動をきっかけにメッセージを段階的に自動配信できる便利な機能です。
- 「個別の友だちに段階的に届ける」点で通常配信・スケジュール配信と異なる
- 顧客育成の自動化、運用負荷削減、高い開封率、CV向上のメリットがある
- 配信通数は料金プランにカウントされるため、プラン選択は慎重に
- 標準機能では最大10ステップ・30日間隔、配信時間1時間単位の制限がある
- 本格運用には、LINE拡張ツール(MAツール)の活用も視野に入れる
まずは標準機能でステップ配信を試し、運用が軌道に乗ってきたら、より高度な配信ができる拡張ツールの検討もおすすめです。各ツールには配信機能・連携性・料金など違いがあるため、自社に合ったものを選ぶことが大切です。次の記事では、LINE配信ツールの特徴や選び方を詳しく比較しているので、あわせてご覧ください。