株式会社カタログハウスは、カタログ雑誌『通販生活』を中心に、ECを主軸とした販売事業を展開しています。EC事業では、新聞やカタログを通じて電話注文を行う既存顧客のWeb移行と、Web経由での新規顧客獲得の2つを主要ミッションとして取り組まれています。
今回お話を伺ったのは、マーケティングの部署を統括されている上條さんと、Web経由の新規顧客獲得を担当されている斎藤さんです。本事例では、Liglaを知ったきっかけや導入に至った背景、導入後に実感した変化、そして今後の展望について、現場の視点から詳しくお話を伺いました。
オフライン依存からの脱却。EC成長の鍵は“LINE活用”だった
―Ligla導入前のマーケティング活動におけるご状況を教えてください。
当社はこれまで、テレビCMや新聞といったオフライン施策を中心に認知を広げ、電話注文を軸に新規顧客を獲得してきました。しかし、近年の人件費高騰により、外部に委託していた電話受付のコストが上昇しているという課題が生じていました。
一方で、Web経由であればカタログを持たない見込み顧客にもリーチでき、より効率的に集客できるという利点があります。加えて、比較的若い既存顧客層にとっては、Web注文のほうが購入までのハードルが低いというメリットもありました。
こうした背景を踏まえ、ECでの新規顧客獲得や、既存顧客のLTV向上を図る施策の一つとして、LINEマーケティングの強化に注目が集まっていました。
LINE配信に丸一日取られる運用に限界が見え始めた
―Liglaを知ったきっかけを教えてください
当社ではこれまで、自社開発したシステムを用いてLINE公式アカウントでの配信を行っていました。しかし、配信セグメントの抽出をSQLで行う必要があるほか、リッチメニューの出し分けにはコード実装が必要となるなど、作業負荷が非常に高い状況でした。その結果、週1回の配信に向けた準備に、前日である金曜日のほぼ1日を費やしていました。
また、LINE運用の専任担当者がいなかったこともあり、業務負荷の軽減と運用の自動化が早急の課題となっていました。
こうした状況の中で、配信業務を効率化できるツールを検討していたところ、Web検索で目にした「“なにもしない”でハイリターン」というキャッチコピーをきっかけにLiglaを知りました。

コンバージョンに直結するかご落ち配信やリコメンド配信が導入の決め手に
―Liglaを導入するに至った背景を教えてください。
当時のLINE運用では、会員情報と紐づけた週1回のメルマガ配信以外に、実施できる施策がほとんどありませんでした。
そのため、ツールを導入する際には、かご落ち配信やリコメンド配信など、コンバージョンにつながる施策が実行できることを最重視していました。
特に、かご落ち配信についてはメルマガでは成果が出ていたため、LINEでも同じことができれば確実に効果が出るという期待がありました。
さらに、商品LPに来たものの離脱してしまうユーザーを引き留める仕組みも欠かせない要件でした。
これらの条件を満たすツールは高価格帯が多かったのですが、候補の中で最もコストを抑えられたことが、最終的にLiglaを選んだ決め手となりました。
―導入後、Liglaをどのように活用されていますでしょうか?
かご落ち、リコメンド配信、離脱ポップアップは導入後すぐに設定し、実施させていただきました。Ligla導入前と変わらず、毎週土曜日の配信を続けています。
自動配信だけで売上15%アップ!LINE施策が安定して成果を生む仕組みに。
―Liglaを導入したことで、数値的な成果や変化はありましたか?
Liglaを導入したことで、かご落ち配信・リコメンド配信・友だち追加直後のあいさつメッセージといった自動配信施策を実施できるようになり、明確な成果が得られました。特に、導入前と比べてLINE経由の売上が約15%増加した点は大きな変化です。
当社では毎週LINE配信の数値目標を設定していますが、なかでも想定以上に効果を発揮したのが「かご落ち配信」です。通常配信は企画内容によって売上が上下しやすい一方、自動配信は安定的に売上を支えてくれるため、目標達成の面でも大きく貢献しています。
実際に、導入前は通常配信のコンバージョン率が1%未満でしたが、Ligla導入後2か月で1%を上回るようになりました。また、かご落ち配信はCVRが15%超、あいさつメッセージは10%を上回ることもあり、いずれも売上に直結する施策として機能しています。また、全体を通して5%ほどになったかと思います。

配信前日作業がほぼ0に!担当者が実感した運用負荷の軽減
―Liglaを導入したことで、どのような変化やメリットがありましたか?
Liglaを導入したことで設定ミスがなくなり、担当者が他業務に時間を割けるようになりました。これまで負担の大きかった金曜日の配信準備も、現在ではスムーズに対応できています。
例えば、導入前は「テスト配信/本配信」のセグメントを毎回手動で切り替える必要があり、大きな作業負担となっていました。Liglaではこの作業が自動化され、切り替えそのものが不要になったことで、運用工数が大幅に削減されています。
また、今回の契約更新に際して他社ツールとも改めて比較しましたが、
特に便利だと再認識したのが、顧客情報を活用した配信がスムーズに行える点です。
比較したサービスの中では対応できなかったため、この点はLiglaならではの強みだと感じています。

技術要件の高い導入でも、手厚いサポートでトラブルなく実装
―サポート体制についてはいかがでしたか?(オンボーディングや導入後)
弊社では、Webhookリレーの設定が必要だったため、導入時には複雑な作業が発生しました。しかし、Liglaのサポートチームが丁寧に伴走してくれたことで、予定どおりスムーズに実装を進めることができました。
また、ID連携については、自社ツールを介さずに実装する必要があり、当社の開発担当とも綿密に連携しながら進めましたが、Ligla側の技術サポートが的確だったこともあり、大きなトラブルやインシデントなく導入を完了できました。

購買履歴・購入回数を活かした高度なセグメント配信へ
―今後Liglaをどのように活用していきたいと考えていますか?
化粧品カテゴリのリッチメニューについては、これまで工数の関係で2パターンの出し分けに留めていました。しかし、Liglaを活用することで、より負担なく柔軟な出し分けが可能だとわかったため、今後は購買履歴や購入回数に応じたセグメント配信にも取り組んでいきたいと考えています。
また、化粧品を「お試し購入のみ」で離脱してしまうリードに対しては、離脱ポップアップだけでなく、2回目以降の購入につながるコミュニケーション施策や、LTV向上を目的とした取り組みも強化していく予定です。
さらに、現状ではブロック数の増加により、有効友だち数が徐々に減少している課題があります。そのため、対策として通知メッセージの活用も、今後の重要な施策として検討しています。
他社比較で実感―Liglaなら施策の幅が一気に広がる
―Liglaの導入を検討している企業に向けてメッセージをお願いします。
他社ツールと比較して特に優れていると感じたのは、Liglaは「実現できない施策がほとんどない」という点です。LINE運用で取り組みたいと考えていた施策が一通り実装でき、運用の幅が大きく広がりました。
―本日はお忙しいなか、ありがとうございました。
「高齢社会×情報」を切り口にした40以上のサービスを提供する株式会社エス・エム・エスは、「看護師の不足と偏在を解消し、質の高い医療・介護サービスの継続提供に貢献する」をミッションに、看護師の人材紹介サービス「ナース専科 転職」を展開しています。
ナース専科 転職のマーケティング部署では、サービスをより多くの看護師に使ってもらうために求職者の新規獲得をミッションとして活動されています。その中でもA.Uさんはディスプレイ広告やLINE広告アカウント運用等のWebマーケティング領域をご担当されています。
今回はそんなA.UさんにLigla導入の背景や導入後のご状況、今後の展望についてお話を伺いました。
他部署での成功体験がLigla導入検討のきっかけに
―Liglaを知ったきっかけを教えてください
もともと代理店にLINE公式アカウントの運用を委託していたのですが、より自社で成果をコントロールしたい、注力していきたいという話になり、内製化をする方針になりました。そこでツールを検討し始めたのですが、実は他事業部ですでにLiglaが導入されており、長期間運用している実績や使い勝手が良いという生の声を聞いて導入を検討し始めました。
また、デモで管理画面を見せていただいた際に、かなり直感的に操作できる画面だなと感じました。比較検討段階からLiglaの存在感は大きかったですね。
費用対効果と施策の実施スピードを改善するために内製化を推進
―LINE公式アカウント運用の内製化を進めた理由はなんでしょうか?
内製化を進めたかった理由は、大きく分けて2つあります。まず1つ目は、コスト面でのメリットが大きいと判断したためです。外部に依頼するよりも、自社で対応したほうが費用を抑えられると考えました。
もう1つは、自社が伝えたい内容をより早く、的確に表現するためです。外部の人が関わることで、意図がうまく伝わらなかったり、対応に時間がかかったりするケースが多く、施策実施までの時間や表現の精度に課題を感じていました。こうした背景から、内製化の方針に至りました。
豊富な機能と直観的でわかりやすい管理画面のUIが導入の決め手に
―Liglaを導入するに至った背景を教えてください
まず1つ目は、機能の充実度です。特にLiglaでは求人配信に関する機能が他社サービスより優れていると感じました。例えば、行動履歴に基づいたリマーケティング機能や即時のレコメンド配信、データ連携のスムーズさなど、自動化や即時性に強みがあり、とても魅力的でした。
2つ目は、「操作のしやすさ」です。他のサービスでは、実装の際にJsonなどを使った開発が必要になるケースが多く、専門的な知識が求められました。一方でLiglaは、エンジニアでなくても直感的に操作できる優れたUIを備えており、誰でも簡単に使える点が非常に魅力的でした。
特にデータ連携の部分については、通常であれば、レコメンド配信を行うために、かなり手間のかかる作業が必要になると思います。

パーソナライズされたコミュニケーションを実現し、成果を実感
―Liglaをどのように活用されていますでしょうか?
求人情報に関する配信は作り込んでいますね。
具体的にいうと、行動履歴に基づいたリマーケティング機能、アンケートの回答内容を活用した即時のレコメンド配信、対話型のアンケート機能になります。対話型アンケートについては「都道府県」や「雇用形態」など希望条件に合わせたシナリオ配信として活用しています。
求人配信は特に顕在層のユーザーには効果を発揮しやすいため、Liglaを活用することでより効率的に成果を上げられていると実感しています。その他には、定期的に行うテーマ別のプッシュ配信も実施しています。
Liglaを活用し属性によって情報の量と質を使い分け
―Liglaを活用する中で、何か工夫されていることはありますか?
過去にどういった配信に人気があったかという点に目をつけ、細かくPDCAを回すようにしています。また、サービス側から「配信するだけ」ではなく、自ら求人を探したいというユーザー向けにアンケートの設問を多くする、求人情報を充実させるといった求人条件を絞りやすい工夫はしていますね。LINE公式アカウントとして情報を届けるだけでなく、「ユーザーが能動的に求人を探したい時に役立つツール」としても活用してもらえるよう心がけています。
―潜在層ユーザーへの取り組みについてはいかがでしょうか?
まだこれからの部分が多いのですが、サービスをライトに使っていただけるように診断コンテンツであったり、自社サイトの記事を配信してみたりと検証しながら実施しています。
また、看護系イベントの告知配信や看護師向けお役立ち情報等、「直接的に集客につながらないが、需要のあるコンテンツ」についても、今後配信していきたいと考えています。
代理店運用からの転換で、LINE活用がここまで変わった
―Liglaを導入したことで、どのような成果や変化はありましたか?
集客数が顕著に伸びています。友だち追加広告(CPF広告)を自社運用に切り替え、成果が上がった影響もありますが、代理店に委託していた時期と比較してLINE公式アカウントの友だち数が3倍に伸びました。
また、定性的な面でいうと、自社内で運用できるようになったことで、1集客チャネルでしかなかったLINE公式アカウントが、他のマーケティングチームとのコラボレーションができるようになったことです。
例えば、インスタグラムの開設告知や顧客情報をよりパーソナライズされた形で配信する等、多くの方と手軽に1to1のコミュニケーションが取れるツールになったことは大きな変化ですね。また、施策の実施スピードもかなり早くなったと実感しています。

初期設定の心配は不要!リリース後のサポートも充実
―サポート体制についてはいかがでしたか?(オンボーディングや導入後)
立ち上げ時にやりたかったことは、代理店への委託時からの知見があったため、特に問題なく進めることができました。一方で、診断コンテンツやアンケートなどはゼロからの制作が必要でしたが、そうした部分に関しては手厚くサポートしていただきました。
特に弊社の場合、リリース日が決まっていて対応できるメンバーも限られていたため、初期設定をサポートしてもらったり、リリースに向けたスケジュールを細かく立ててもらったりと、大変助かりました。
また、リリース後も新しい施策のご提案や施策実行のサポートまでかなり充実していると感じます。
さらなる拡大に向けた、潜在層へのアプローチ
―今後Liglaをどのように活用していきたいと考えていますか?
現在の課題として、LINEの友だち登録からコンバージョン(CV)に至るまでに時間がかかってしまう点があります。そこで、今後はユーザーを細かくセグメント分けし、配信内容を変えたり、リッチメニューをユーザーごとに出し分けたりすることで、より効果的なアプローチを目指していきたいと考えています。たとえば、友だち登録から一定期間が経過したユーザーや、しばらくアクションのないユーザーに向けた配信などがその一例です。
また、自社サイトの顧客情報とLINEのデータを連携させ、登録後のフォロー施策にも力を入れていきたいという社内の声もあります。
LINE公式アカウント運用を代理店に委託していて課題を感じている企業におすすめ
―Liglaの導入を検討している企業に向けてメッセージをお願いします。
現在の課題として、LINEの友だち登録からコンバージョン(CV)に至るまでに時間がかかってしまう点があります。そこで、今後はユーザーを細かくセグメント分けし、配信内容を変えたり、リッチメニューをユーザーごとに出し分けたりすることで、より効果的なアプローチを目指していきたいと考えています。たとえば、友だち登録から一定期間が経過したユーザーや、しばらくアクションのないユーザーに向けた配信などがその一例です。
― 本日はお忙しいなか、ありがとうございました。
LINE経由のCVRが139%に。顧客体験の最大化をもたらす、じげんの姿勢とパーソナライズの工夫
株式会社じげんでは、生活機会の最大化を企業理念に掲げ、生活に関わる40以上のサービス「ライフサービスプラットフォーム」を展開しており、3年前から本格的なLINE運用を開始しています。友だち追加率の向上を図ったうえで、LINE経由で顧客ニーズに合わせたパーソナライズを『Ligla』で実装し、CVRを139%に向上させました。 繰り返しでの利用が少なくデータが集めづらい賃貸業においても、初回来訪でのアンケートで賃貸物件条件の把握と物件閲覧データに基づいたレコメンドを実装。今回は、LINEにおけるレコメンドが成功に至るまでのプロセスを、株式会社じげんの企画マーケティング部の西尾氏、ライフサービスプラットフォーム事業本部の塚田氏にお話を伺いました。
株式会社じげんとは
編集部:『Ligla』を活用しているじげんと事業について教えていただけますか?
西尾氏:じげんは2006年に創業しました。2017年に東証マザーズ上場、2018年東証一部、2021年に東証プライムに上場しています。求人・住宅・自動車や旅行など、生活に関わる幅広いサービスを展開しています。 事業の主要セグメントのひとつ、リビングテック領域(おもに住宅・不動産に関わる領域)では、賃貸情報サービスである「賃貸スモッカ」、リフォームの情報・見積もり比較サービス「リショップナビ」、ガス会社の情報・比較サイト「エネピ」などを展開しています。
塚田氏:とくに「賃貸スモッカ」をはじめとする賃貸情報サービスにおいて、LINE特化型マーケティングオートメーション『Ligla(リグラ)』を活用していますね。 2021年の不動産賃貸業・管理業の市場規模は約21兆円で2020年と大きく変わらない状況です。ただ、顧客を取り巻く環境は大きく変化しています。リモートワークが一般的になったことだけでなく、どの業界でもより自分のニーズに合う商品やサービスを求める傾向が強くなっていると感じていますね。
現状の取り組みと『Ligla』導入のきっかけ
編集部:現在のライフサービスプラットフォーム事業の取り組みについて、お聞きしてもよろしいでしょうか?
塚田氏:ライフサービスプラットフォーム事業ではWeb媒体の賃貸スモッカ、賃貸EXにてサービスの改善と集客チャネルの拡張・最適化に取り組んでいます。お問い合わせを含めた顧客体験の向上と売上・利益の最大化を目指すことをミッションとしています。 LINE・メールなどのダイレクトマーケティングチャネルでは、収益性が高いチャネルから利益を最大化する貢献をミッションとしています。顧客体験の向上と問い合わせ数の向上の両軸で活動しています。
西尾氏:賃貸事業全体では、引越しを検討している顧客と賃貸情報を掲載している不動産会社のマッチングサイトであることから、両者がWin-Winとなる仕組みを目指しています。 不動産会社は、成約単価を下げられるかがポイントのひとつです。そのうえで、エリアごとの成約率の向上を目指せば、顧客もニーズにあった物件が見つかるため、サービスとしても追求しています。
編集部:『Ligla』の導入のきっかけは何でしたか?
塚田氏:『Ligla』の導入は3年ほど前、LINEのプラットフォームの仕組みが変わったタイミングでしたね。従量課金制に変化し、これまでよりもコストが高くなってしまうという状況となりました。そのため、適切な顧客へのアプローチを効率化できるツールとして『Ligla』を選択しています。 顧客視点でも無駄な配信が多い場合、UXを高められないため、「これまで以上に配信の効率化・最適化ができるか」というポイントを優先しました。
編集部:当時のLINE活用はどのような状況だったのでしょうか?
西尾氏:Ligla導入前はLINEの配信設定が難しく、一週間に一回の定期配信設定に関しては、設定の度に何時間も消費している状況でしたね。検討から導入までは2カ月ほどで決定し、実際に『Ligla』を使用してみると時間的コストの問題を解決できました。
『Ligla』の成果と運用方法
編集部:現在はどのような施策を実施されていますか?
塚田氏:賃貸物件を探されているであろうお客様に対して、アンケートや行動をもとにセグメント分けした情報提供や、サイト上で閲覧した物件に合わせたおすすめ物件のレコメンドを実施しています。 最近では、アンケートで物件を探す上での希望条件をお伺いし、レコメンドに加味することで、よりお客様にあった情報提供が実現できています。 レコメンドは従来より成果がよかったのですが、更に成果を出すことができています。
編集部:アンケートにはどの程度の方が答えてくださるのでしょうか。また回答いただけるような工夫をされていたら教えてください。
西尾氏:1日150人程度の新規友だちに対して、アンケートを訴求し、約60%の友だちが全問解答してくださっています。アンケート解答率を上げるポイントは、「LiglaによるUIの設計」でした。画像を指定してボタンのように配置できるため、高い回答率につながっていると感じています。また、アンケートを送る対象条件を設定することも大切ですね。
じげんの他事業でも同様の施策を行っており、新規顧客のみに送ることで回答率が高まりました。
実施前、回答率が15%程度と想定していたのですが、新規友だちの約60%、アンケート開始後であれば80%の方に回答いただけています。アンケートに回答いただいた方はエンゲージメントが高いと考えられるので、回答有無で配信セグメントを分けることも配信の効率化につながっています。また、施策の導入では、カスタマーサクセスの方と何度もお話し、サポートしていただきました。
編集部:実際に『Ligla』をどのように運用されていますか?
西尾氏:マーケターを含めた担当者2人でPDCAを回しています。具体的には毎日送られてくるレポートを確認、傾向が掴めた段階で運用を調節、大きな変更や新しい配信形式を作る場合はマネージャーに相談・チェックというサイクルです。 配信の結果に対して、スピーディーな対応を心がけています。例えば、ブロック率が上がった、配信コストが上がったといったことがないように、各配信のCVRやセッションなどは社内のKPIを意識していますね。 普段運用に割いている1日の時間は数値確認に1日30分程度、新規施策の配信設定時は2アカウント合わせて4~5時間程度です。新しい配信内容を作るタイミングでは、大きく変更するケースもあるものの、管理画面をずっと見ているような状況にはならないですね。
編集部:運用の際のポイントはありますか?
塚田氏:過去の施策を通して把握した配信時間や曜日、配信回数などの細かいチューニングを調整するよりも、じげんとして次のような「これまでにやっていないことをやる」姿勢が結果につながっていますね。
・自動応答によって新規顧客のCVRを上げる
・各部門への横展開(賃貸からアルバイトなど)
・配信最適化(ダイナミック配信、セグメント配信、APIの個別配信などの新規実施・磨き込み)
・対話型アンケートも含めた顧客情報の取得、顧客体験の向上
施策の流れでは、実施していた友だちの追加率の増加施策から、CVRや1つの配信に対する価値の追求に移行し、ユーザーセグメントに合わせた情報提供の最適化へと変化して、事業を拡張してきましたね。過去の施策の結果が今の施策に活用できている点は大きいといえます。
編集部:『Ligla』を使用し、省力を実践できているポイントは何でしょうか?
塚田氏:『Ligla』で省力を実感できているポイントは、エンジニアのリソースを使用しなくても良い点です。仮に『Ligla』のようなツールなしでLINEの新しい施策を実装する、追加するとなった場合は、エンジニアの工数やリソース・コストを検討しなければなりません。
しかし、現在実施している対話型アンケートなどの施策は管理画面からの操作でカバーできるものが多い点は有り難いですね。
『Ligla』の評価とじげん社内での横展開
編集部:『Ligla』に対してどのように評価されていますか?
塚田氏:導入当初を振り返ると、コストパフォーマンスや機能の追加、サポート体制を評価していました。最近では、より優れたユーザー体験の向上に役立っていると感じています。後追いのチャネルとして、リピーターをどうやって作っていくのかといったポイントを『Ligla』でカバーしている状況ですね。じげん内部のみのリソースでは、更に顧客から情報を得る施策を展開できなかったと感じています。 転職や引越しなどのライフイベントに関わるサービスはもともと「リピーターが発生しづらい領域」です。例えば、賃貸で引越しを行った場合、すぐに引っ越すパターンは多くないといえます。そのため、通常であればリピートがなかったり、情報が集めにくかったりといった状況になるケースは少なくありません。 そういった環境もふまえて、セグメントを細かく分けて配信できる点にありがたみを感じています。じげんとしてリソースが限られた中で、上手く顧客のニーズを掴み、レコメンドを表示できている点は『Ligla』の魅力のひとつです。
編集部:じげんでは『Ligla』を他サービスでも使用していただいています。横展開が進んでいる理由は何でしょうか?
西尾氏:横展開が進んでいる理由は、2つあります。
ひとつは、じげんとして「いいものがあればと取り入れる」、「共有して事業を伸ばす」という姿勢がある点です。もうひとつは、メルマガやLINE、アプリといったリピート系の施策で実績が出ている点です。じげんで展開している事業はビジネスモデルの構造や集客経路が似ているものも多いので、横展開しやすかったとも感じています。 横展開の具体的な例を挙げると、フランチャイズ比較メディアで実施していたアンケート型のレコメンドを不動産事業部にも横展開しています。今後は、求人サービスやエネルギーサービスにも展開する予定です。
今後実現していきたいマーケティング活動・世界観
編集部:最後に今後実現していきたいマーケティング活動・施策があれば教えてください
塚田氏:今考えているのは、「どのようなモチベーション・セグメントの顧客にも寄り添えるサービスやLINEの案内を追求していきたい」という想いですね。より細かくセグメントを分け、より細かい質問内容を検討していくといった流れになるかと想定しています。 また、動的リッチメニューの導入も検討しています。顧客が能動的に動ける状態を作り上げることが結果につながると考えていますね。ステップ配信に関しても今後取り組んでいきたいです。
西尾氏:じげんはSEO・リスティング広告などの面から、検索エンジンの流入に関して、強い企業ではありました。しかし、それだけではサービスに関わる方への価値提供が最大化できないと感じています。そのため、今後は次の3つの施策に力を入れていく予定です。
・チャネルの拡張
・既存顧客に対する価値の最大化
・プロダクトの価値の向上
とくに、既存顧客・新規顧客に対してどのような価値を提供できるかに焦点を当てていくことに注力したいです。例えば、データを活用したうえで、「顧客がもっと使いやすいUIにしていく」、「レコメンドの機能・パーソナライズを最適化していく」といった変化は必要になってきます。
サイト内の回遊状況、サービスの利用状況などを加味し、LINEに反映していくといった施策・活用を行っていきたいですね。メルマガに関しても、重複した内容を送らないといった顧客が使いやすいサービスや集客チャネルとして活用していきたいです。じげんグループ全体としては、LINEのシェア率は大きく変化ありません。友だち追加の導線をアプリにしている点を含めて、シェア率は変わらない設計となっているためです。しかし、売上に関しては向上しており、利用者は1.5倍に増加しています。
編集部:最後にじげんが目指す世界観を教えてください。
塚田氏:賃貸情報サービスにおいては、「引越し前だけでなく、引越し後も使えるサービスになっていく」ことを目指したいですね。そして、LINEをこの役割を担うチャネルにしていきたいと思っています。 例えば、現在は「引越しする気がない顧客の囲い込みやヒアリングを行い、提供できる価値を最大化できれば、じげんとしても良いサイクルができる」と感じました。将来的には、物件の情報だけではく、家具・家財などの紹介も行っていきたいと考えています。 そのうえで、『Ligla』の機能とLINEをもっと上手く活用できれば、顧客のLTVの最大化が可能だと実感しています。賃貸情報サービス意外にも、リフォームをはじめとする生活に関わるサービスは多数もあるため、事業を横断した連携も高めていきたいです。
西尾氏:じげんは、LINEによるマーケティング施策で一定の効果を上げました。これまでのマーケティング施策による知見も含めて、全ては顧客に対する価値提供とより優れた体験の提供のために活用しています。 今後もじげんは、LINEによる集客導線を最適化し、自社の利益だけでなく、サービスを通じて顧客に対する価値提供・顧客体験の向上に努めていきます。
「MOUSSY」をはじめ、主に20〜30代女性をターゲットとしたアパレルブランドを展開する株式会社バロックジャパンリミテッド(以下、バロックジャパンリミテッド)は、APIによる “LINE特化型”マーケティングオートメーションツール「Ligla(リグラ)」を導入し、LINE公式アカウントからのセグメント配信を自動化するなどして、高い運用実績を上げています。そのプロジェクトを推進するバロックジャパンリミテッドの柴田幸男氏(以下、柴田氏)、久保木理冴氏(以下、久保木氏)と、Liglaを開発・提供する株式会社TimeTechnologies(以下、TimeTechnologies)の柴田剛氏にLINEを活用した取り組みや得られた成果について話を聞きました。
LINEで店舗とECをつないでOMO促進をめざす
2000年に設立されたバロックジャパンリミテッドは、「MOUSSY」「SLY」「AZUL BY MOUSSY」など19ブランドを展開しています。現在、国内外に約650店舗を構え、2023年3月には旗艦店「The SHEL’TTER TOKYO東急プラザ表参道原宿店」をリニューアルオープンしました。

同店は外観にあるデジタルサイネージでブランドムービーなどを表示するほか、店内ではECサイトとライブ配信を組み合わせるライブコマースを行うスタジオが併設されるなど、OMO(※)の拠点としての役割を担っています。
※Online Merges with Offlineの略。ECサイト(オンライン)と店舗(オフライン)を融合させ、顧客体験の向上を目指すマーケティング手法
また、自社アプリ「SHEL’TTER PASS」上では、デジタル会員証、店舗やECサイト「SHEL‘TTER WEBSTORE」で使えるマイル(ポイント)などの各種機能を提供しており、「これらの取り組みを通じて店舗とECの連携強化を行なっている」とバロックジャパンリミテッドの柴田氏は話します。

「弊社の強みは商品はもちろん、店舗に立つ販売員にあると考えています。なかにはインフルエンサーのような人気スタッフもおり、そのスタッフがLINE STAFF STARTを使って情報発信すると、わざわざ遠方から足を運んでくださるお客様もいるほどです。
こうした発信力や集客力を土台としながら、店舗とECサイトそれぞれで保有するデータを統合して活用することで、オンライン・オフラインを問わずシームレスに買い物ができて、その結果、ロイヤリティーが高まるような顧客体験の提供を目指しています」(柴田氏)

現在、店舗では自社アプリ「SHEL’TTER PASS」の登録を促し、ECサイトでは自社ECのLINE公式アカウントの友だち追加を促しています。OMOを促進するには「自社アプリの会員とLINE公式アカウントの友だちの“重なり”を増やしていくことが重要」と柴田氏は強調します。

「弊社はSNSやメルマガなど複数のコミュニケーションチャネルを併用していますが、LINEはメールではアプローチできない層に対する販促チャネルとして活用しています。
具体的には、ロイヤリティーが比較的高めのアプリ会員に、メールよりも即時性と開封率の高さが期待できるLINEで情報発信することで、ECサイトの利用を効果的に促すことができます」(柴田氏)
友だち追加からID連携まで一気に訴求し、質の高い友だちを集客
バロックジャパンリミテッドでは、現在4種類のLINE公式アカウントを運用しています。
なかでも、とくに運用に力を入れているのが「自社ECアカウント」で、購入数・売上・ROI・ROASをKPIに設定しています。そのKPIを達成するためにLINE公式アカウントの運用を強化する必要性を感じた同社は、TimeTechnologiesが提供する「Ligla」を2022年12月に導入しました。

「Liglaの導入前も別のMAツールを利用してカート落ちやレコメンドなどのメッセージを配信していたのですが、一気通貫でユーザーの態度を変容させるような施策はできていませんでした。しかし、Liglaの導入後はデータを活用したセグメント配信によって、未購入顧客の効果的なナーチャリングが可能になりました。実際にEC売り上げアップにもつながっています」(柴田氏)
Liglaの運用をサポートしているTimeTechnologiesの柴田剛氏は、「未購入顧客やライト層にも効果的にメッセージを送り分けたいというニーズが多い」と明かします。
「Liglaは会員登録前・ID連携(※)前のユーザーに対してもセグメント配信やパーソナライズ配信が可能なので、未購入者の引き上げが見込めます。また、ナーチャリングのためにどのようなセグメントを用いるかについては、企業様とご相談しながら決めていきます。
バロックジャパンリミテッド様の場合、導入時に計28個の施策をご提案させていただき、施策の開始から1カ月ほどで効果が現れました」(TimeTechnologies 柴田氏)
LINEのユーザーIDと企業が保有する会員IDの連携。なお、ID連携はユーザーの許諾を得た上で行われます。

さらに、「質の高い友だち集客もLiglaの利用メリットの1つ」とTimeTechnologiesの柴田氏が語るように、バロックジャパンリミテッドでは以下のような施策でECサイトを訪れたユーザーの友だち追加やID連携を効率的に促しています。

「友だち追加の施策は主に2つです。ひとつは、ECサイト内の会員登録完了ページにボタンを設置して、LINE公式アカウントに誘導しています。
もうひとつは、友だち追加していないユーザーがECサイトに訪れた際、ポップアップを表示させるLiglaの機能を使っています。毎月、友だち追加数のうち25%がこのポップアップ経由となっています」(久保木氏)
久保木理冴氏
このサイト内ポップアップは、たとえば「1人あたり5回」というように表示回数を制限することができます。ユーザーがサイトを利用するなかで煩わしさを感じさせないようにしながら友だち追加を促せる点で、特にEC業界と相性が良いといえるでしょう。
また、バロックジャパンリミテッドではマイルプレゼントをフックにして、Liglaと別のMAツールから合計3種類のポップアップバナーを出し分けています。

さらに、Liglaの機能を利用して、ID未連携ユーザーとID連携済みユーザーそれぞれに合わせてリッチメニューを出し分けています。

「一連の施策で、友だち追加からID連携まで一気に完了してもらえるように工夫しています。LINE公式アカウントの友だち数は以前の2倍以上のスピードで増加しているものの、ブロック率は20%前後と横ばいで推移しています。また、ID連携率は約42%ですが、さらに精度の高いセグメント配信やパーソナライズ配信を目指して、今後も連携率を高める施策を継続します。
ちなみに、Liglaでリッチメニューの出し分けを行って以降、1カ月あたりのリッチメニュー経由のEC売上が1000万円に倍増しました。実際の売上効果を目の当たりにして、ユーザーに合わせたコミュニケーションの重要性を実感しています」(久保木氏)


スポット配信とシステム配信を効果的に使い分け

「メッセージの配信方法は、大きく分けて2種類あります。スポット配信はキャンペーンの告知や新作情報など、内容によって適宜、優先順位つけて手動で配信しています。現在は週に10回程度配信しており、セールやクーポン訴求の配信では1回の配信で100万円の売り上げにつながった例もあります。
一方、システム配信はユーザーの行動履歴などに応じたレコメンド配信、リマインド配信、カゴ落ち配信を自動で送れるようにLiglaの管理画面で設定しています。一例として、リマインド配信の成果を紹介しますが、他のシステム配信でも高い配信効果を記録してKPI達成に寄与しています」(久保木氏)

また、配信頻度や予算の都合でどうしてもLINE公式アカウントで配信できなかった情報については、メッセージ通数に加算されないLINE VOOMに投稿して、ユーザー間でのシェアを通じた認知度アップを図っているといいます。
「システム配信全体で見るとROAS2,000%を超える実績が出ていますが、弊社のLINE運用は兼任メンバーも含めて3人で行うなど、一言で表現するとすれば『省力化』です。
システム配信だけでも、1人のユーザーに1週間で10以上のメッセージが届くケースもありますが、クリエイティブは他のSNSで使用したものをカスタマイズしますし、配信効果の高い“勝ちパターン”が見つかれば、あとはそれに微調整を加えて効果検証を繰り返すのみです。
新たなシステム配信を企画する時は、最初にTimeTechnologiesのカスタマーサクセス担当者様と打ち合わせて設定を行い、その後はなるべく自分たちで運用するように意識しています」(久保木氏)

こうした取り組みにより、バロックジャパンリミテッドは直近1年でLINE公式アカウント経由の売り上げを150%伸長させました。今後の展望について、3氏はそれぞれ次のように語ります。

「Liglaでは、今年4月に店舗別の管理機能を追加しました。これにより、各店舗での友だち追加数の把握や、店舗イベントや出店しているモール情報に絡めた配信、あいさつメッセージの出し分けなどで、来店促進やECサイトへの誘導が可能となります。また、弊社の親会社である株式会社ブレインパッドはAIや機械学習に強みを持っているので、それらのテクノロジーも使いながら、今後もバロックジャパンリミテッド様をはじめ、お客様企業の販促やナーチャリングの最適化、自動化を支援していきたいと思います」(TimeTechnologies 柴田氏)
「アパレル業界では、2回以上買ってくれたお客様が3カ月以内にさらに購入してくれる確率は50%と言われています。しかし、1回だけ購入した方が、2回目を購入する確率は10%程度です。この“2回目の壁”を打ち破るために、期間限定のクーポンやポイントを配信するなど、初回購入の熱が冷めないうちにLINEで積極的にコミュニケーションを取っていきたいと思います。そのためにも、やはりID連携を基にしたデータ活用が大きなカギになりますね」(柴田氏)
「ECで購入したアイテムを店舗で受け取ることができるサービスを構想しています。その際、注文完了のお知らせや来店時間の予約などがLINE上でできると、ユーザーの利便性につながるのではないかと考えています。現在のようにユーザーが情報を受け取るだけではなく、ユーザー側からアクションを起こして店舗と積極的につながれるツールとしてLINEを活用していきたいですね」(久保木氏)
(公開:2023年7月、取材・文/相澤良晃、写真/高橋枝里)
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