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「施策一つ試すのに、外部への依頼で数週間かかってしまう……」。そんなスピード感のジレンマを解消し、自社主導のLINEマーケティングを加速させているのが株式会社フェリシモです。


社名の「FELISSIMO」は、「最大級で最上級のしあわせ」を意味します。これは、フェリシモの経営理念「しあわせ社会学の確立と実践」を明確に表現する名称です。
同社は『Ligla』の導入により、ブラックボックス化しがちだった配信対象や効果測定を可視化。締め切り直前の「あと一押し」の施策を自社でサクッと配信できる体制を整え、新規獲得から既存ファンの育成まで、理想的なPDCAを実現しています。代理店さんとの良好な関係を保ちながら、自社の「やりたい」を形にするためのヒントを紐解きます。


株式会社フェリシモとは

インタビュアー:まずはフェリシモの事業と、LINEをご担当されているお二人について教えていただけますか?

畑氏:弊社はファッション、雑貨、インナーなどを主に扱う、設立60期のダイレクトマーケティングの会社です。ECサイト、紙カタログを活用した商品を「定期便」という独自の事業を展開しています。また、本社にあるフェリシモチョコレートミュージアムを始め、レストラン事業や神戸ポートタワーの運営といった新規事業も多数展開しており、さまざまなお客さまとの接点づくりにも活動を広げています。私はメール・アプリ・LINE、広告・SEO、といったWEBプロモーション・CRM全般のグループリーダーとして、またWebサイトのUI/UX設計の担当をしています。

畑山氏:私はWEBプロモーション全般を担当しており、具体的な実務として広告運用とLINE公式アカウントの運用を担っています。私がLINE担当に着任したのは約2年前です。ちょうどフェリシモでLiglaを導入し、新たなLINE戦略を推し進めるタイミングで、プロダクトオーナーを務めることになりました。手探りの状態からスタートし、試行錯誤を繰り返しながら今の運用サイクルを回せるようになりました。


導入前の状況と『Ligla』導入のきっかけ

インタビュアー:Ligla導入前のLINE運用はどのような状況でしたか?

畑氏:前提としてお伝えしておきたいのは、弊社は代理店さんの運用に限界を感じていたわけではありません。今も代理店さんと月次定例を行いながら、相乗効果を生む関係を維持しています。その上で、『このキャンペーン、明日配信したい』と思っても、外部に依頼すると数週間かかる。そのタイムラグをなくし、自分たちのひらめきを鮮度が高いうちに形にしたいという想いがありました。

畑山氏:私がLINE担当になりたての頃は、どのような配信が可能なのか、ターゲットをどう設定すべきかといった具体的な活用イメージが持てず、当初は運用の多くを代理店さまにお任せしている状態でした。しかし、Liglaの導入を機に管理画面を通じて「どのようなセグメントに、どういったアプローチができるのか」が直感的に把握できるようになったんです。 対象となるユーザーのボリュームも即座に可視化されるため、施策のアイデアが次々と湧いてくるようになりました。何より、「思いついた施策をその場ですぐに形にできる」という機動力を持てたことが、私にとってとても大きな変化でした。

インタビュアー:『Ligla』の導入の決め手は何でしたか?

畑氏:新規顧客との接点を広げられる「通知メッセージ」を実現できる点が導入の決め手でした。Liglaがいち早く対応されていた点に大きな魅力を感じました。通知メッセージを活用することで、これまでご連絡できなかったお客さまとの繋がりが増え、お客様に届いて嬉しい情報をご案内できるという期待が大きかったです。また施策の結果数値がすぐに確認できる点も助かっています。配信の翌日には友だちの増減や流入数が確認できるので、PDCAをスピーディーに回せます。


通知メッセージで「新規」を、メリーポイントで「既存」を。フェリシモ独自のファン化施策

インタビュアー:新規の友だち獲得に向けてどのような施策を実施されていますか?

畑山氏:弊社では広告でのばらまき型の友だち獲得はあまり行っておらず、「フェリシモでのお買い物を末永く楽しんでいただける方」との接点を大切にしたいと考えています。そのため、社内の他チームとのコラボ企画を活用した獲得施策を中心に行っています。例えば、コラボ商品のLPに「販売開始や締切間際をLINEでお知らせする」という動線を設け、お客さまのニーズに寄り添った形での登録を促しています。こうして繋がったお客さまには、属性に合わせたセグメント配信を行うことで、より密なコミュニケーションを図っています。

また、本社二階の「フェリシモ チョコレートミュージアム」ではLINE登録を起点とした体験型の仕組みを導入しました。ここでは普段の顧客層とは異なる10代20代の男女など、新しい層との接点も生まれています。来場翌日にお礼のメッセージとともに役立つ情報を届けるといった、体験の余韻に寄り添う施策も展開しています。こうした取り組みは、自社の商品や施設の魅力を深く理解している私たちだからこそ、お客さまにとって心地よい形を追求できるのだと感じています。


畑氏:代理店さまはLINE施策の専門知識を、私たちはフェリシモの商品・施設・顧客の知見を持っており、理解に長けています。それが組み合わさることで、より質の高い施策ができていると思っています。他社とまったく同じことをするのではなく、フェリシモならではのものを作れるかがポイントだと感じています。

インタビュアー:通知メッセージはどのように活用されていますか?

畑山氏:現在は新たな試みとして、新規会員登録をされたお客さまへのアプローチをPOCとして実施しています。フェリシモでは会員登録時に「5,000フェリシモメリー」が付与される仕組みがありますが、その存在や活用方法に気づかないままの方もいらっしゃいます。そこで、登録翌日に「5,000フェリシモメリーが付与されました」と通知メッセージでお知らせする施策を取り入れました。単なるリマインドではなく、「このポイントを使ってお買い物を楽しめますよ」という具体的なメリットを添えてお伝えすることで、登録後の最初の一歩を迷われているお客さまの背中を、そっと押して差し上げるようなコミュニケーションを心がけています。

※フェリシモメリー:フェリシモオリジナルのポイントサービス

インタビュアー:既存のお客様へのアプローチはどのような施策を行っていますか?

畑山氏:毎月1回、フェリシモメリーの残高に応じた商品交換案内をカルーセル形式で配信しています。「あなたは現在〇〇〇フェリシモメリーお持ちです」というお客さま一人ひとりの保有ポイント数に合わせた情報と、そのポイントで交換可能な人気アイテムをカルーセルで提案する施策です。この施策は、単にポイント消費を促すものではなく、「交換」を入り口としてサイトへ再訪していただき、再びフェリシモでのお買い物体験を楽しんでいただくための「再訪装置」として位置づけています。狙い通り、ポイント交換だけでなくその後の購入件数もしっかりとついてきており、非常に手応えのある施策となっています。

インタビュアー:ID連携の促進についてはどのような取り組みをされていますか?

畑氏:訴求として一番効いているのは500円クーポンです。友だち追加時に配信されるあいさつメッセージ内でも訴求しているので、お客さまの反響は大きいです。友だち追加と同時にID連携していただく導線としては、購入完了画面に「発送通知がLINEで受け取れます」バナーを設置しています。「ID連携とは何か」をお客さまに説明するよりも、「発送通知がLINEで届く」という価値をそのままお伝えすることで、お客さまには納得感をもっていただいたうえで、スムーズに登録していただける形になっています。


配信翌日に効果を可視化。締め切り3日前の「あと1施策」がKPI達成の鍵になる

インタビュアー:日々の運用はどのように進めていますか?

畑山氏:配信翌日には、CV数や友だち数の増減といった結果がダイレクトに返ってくるので、「この施策はよかった/悪かった」という判断をすぐにするようにしています。ダッシュボードでグラフの推移を追うのが習慣になっていますが、ただ眺めるだけではなく「なぜこの数字が動いたのか?」というお客さまの反応を自分なりに深掘りして、理由をちゃんと言語化しチーム内で議論しています。このスピード感で毎日サイクルを回しているうちに、次に打つべき手立てや改善案が、迷わずパッと浮かぶようになりました。

畑氏:月の途中で目標値が追加されることもあります。そういうときにでも「すぐに企画して、さくっと設定して、案内してみよう」が実現できるのがLiglaのありがたいところです。通常は、配信の2週間前からスタートして配信日も決めてしまっていることもあり、急な追加はなかなか難しいです。そこを自分たちで補えることで、目標達成につながったケースが実際にあります。Liglaの管理画面を使えば1〜2日でテスト配信まで完結できることは本当にうれしいですね。


導入時のサポート体制

インタビュアー:導入時のサポート体制はいかがでしたか?

畑氏:タグの設置や商品フィードの連携といった実装まわりは、社内のIT部門のメンバーに対応していただきました。マーケティング担当の私たちは早く使いたいのでツンツンするだけで(笑)、開発実装に詳しいメンバーに入っていただけたのが大きかったです。Ligla担当の方とのやりとりはメールで確認していましたが、レスポンスや対応がとにかく早くて、また不明点は丁寧に教えてくださるフォロー体制は大変助かりました。


『Ligla』の評価と今後の展望

インタビュアー:『Ligla』をどのように評価していますか?

畑山氏:Ligla管理画面を触っていると、「こんな配信の手法があるんだ」「このセグメントなら、あんなアプローチも面白そうだな」というアイデアが次々と湧いてくるんです。最初はLINEで何ができるのかも分からない状態でしたが、Liglaのおかげで施策の発想の幅がグッと広がりました。何より、思いついたアイデアをその場ですぐに試せる環境があることで、「まずは一度やってみよう」とフットワークよく一歩を踏み出せるようになりました。 この「試行錯誤のしやすさ」は、運用者として一番実感しているメリットです。

畑氏:プロトタイプを素早く作ってABテストを回すという考え方はWebサイトでは当たり前にやっていましたが、Liglaを導入する事でプッシュ配信でも同じことができる環境が整ったのは大きいと感じています。Liglaによって、LINEのマーケティングにも同じサイクルを持ち込めるようになりました。

インタビュアー:最後に、LINEマーケティングに取り組まれている方々へのメッセージをいただけますか?

畑山氏:私自身、3年前は知識ゼロからのスタートでしたが、Liglaの管理画面を触りながらお客さまの反応を想像するうちに、施策の幅がぐっと広がりました。日々の変化をヒントに『まずはやってみよう』とフットワークよく動き、小さな試行錯誤を積み重ねることで、LINEマーケティングの可能性がぐっと広がるかとおもいます。まずはLiglaの管理画面を通じて、お客さまの反応を肌で感じることをおすすめしたいです。

畑氏:少し抽象的な話になりますが、「何のためにLINEを使っているのか」という目的を社内やパートナーと共通言語にしておくことが大切だと思っています。フェリシモは「しあわせ社会学の確立と実践」という経営理念に、永続的なしあわせ社会を創造することを目指している会社です。LINEでも、お客さまに「フェリシモのLINE友だちになっていてよかったな、うれしいな」と感じていただけるような瞬間をたくさん作っていきたい。その思いがあるからこそ、代理店さまやLiglaのチームのみなさまとも、同じ視点での提案や連携ができると感じています。

「高齢社会×情報」を切り口にした40以上のサービスを提供する株式会社エス・エム・エスは、「看護師の不足と偏在を解消し、質の高い医療・介護サービスの継続提供に貢献する」をミッションに、看護師の人材紹介サービス「ナース専科 転職」を展開しています。

ナース専科 転職のマーケティング部署では、サービスをより多くの看護師に使ってもらうために求職者の新規獲得をミッションとして活動されています。その中でもA.Uさんはディスプレイ広告やLINE広告アカウント運用等のWebマーケティング領域をご担当されています。

今回はそんなA.UさんにLigla導入の背景や導入後のご状況、今後の展望についてお話を伺いました。


他部署での成功体験がLigla導入検討のきっかけに

―Liglaを知ったきっかけを教えてください

もともと代理店にLINE公式アカウントの運用を委託していたのですが、より自社で成果をコントロールしたい、注力していきたいという話になり、内製化をする方針になりました。そこでツールを検討し始めたのですが、実は他事業部ですでにLiglaが導入されており、長期間運用している実績や使い勝手が良いという生の声を聞いて導入を検討し始めました。

また、デモで管理画面を見せていただいた際に、かなり直感的に操作できる画面だなと感じました。比較検討段階からLiglaの存在感は大きかったですね。


費用対効果と施策の実施スピードを改善するために内製化を推進

―LINE公式アカウント運用の内製化を進めた理由はなんでしょうか?

内製化を進めたかった理由は、大きく分けて2つあります。まず1つ目は、コスト面でのメリットが大きいと判断したためです。外部に依頼するよりも、自社で対応したほうが費用を抑えられると考えました。

もう1つは、自社が伝えたい内容をより早く、的確に表現するためです。外部の人が関わることで、意図がうまく伝わらなかったり、対応に時間がかかったりするケースが多く、施策実施までの時間や表現の精度に課題を感じていました。こうした背景から、内製化の方針に至りました。

豊富な機能と直観的でわかりやすい管理画面のUIが導入の決め手に

―Liglaを導入するに至った背景を教えてください

まず1つ目は、機能の充実度です。特にLiglaでは求人配信に関する機能が他社サービスより優れていると感じました。例えば、行動履歴に基づいたリマーケティング機能や即時のレコメンド配信、データ連携のスムーズさなど、自動化や即時性に強みがあり、とても魅力的でした。

2つ目は、「操作のしやすさ」です。他のサービスでは、実装の際にJsonなどを使った開発が必要になるケースが多く、専門的な知識が求められました。一方でLiglaは、エンジニアでなくても直感的に操作できる優れたUIを備えており、誰でも簡単に使える点が非常に魅力的でした。

特にデータ連携の部分については、通常であれば、レコメンド配信を行うために、かなり手間のかかる作業が必要になると思います。



パーソナライズされたコミュニケーションを実現し、成果を実感

―Liglaをどのように活用されていますでしょうか?

求人情報に関する配信は作り込んでいますね。

具体的にいうと、行動履歴に基づいたリマーケティング機能、アンケートの回答内容を活用した即時のレコメンド配信、対話型のアンケート機能になります。対話型アンケートについては「都道府県」や「雇用形態」など希望条件に合わせたシナリオ配信として活用しています。

求人配信は特に顕在層のユーザーには効果を発揮しやすいため、Liglaを活用することでより効率的に成果を上げられていると実感しています。その他には、定期的に行うテーマ別のプッシュ配信も実施しています。


Liglaを活用し属性によって情報の量と質を使い分け

―Liglaを活用する中で、何か工夫されていることはありますか?

過去にどういった配信に人気があったかという点に目をつけ、細かくPDCAを回すようにしています。また、サービス側から「配信するだけ」ではなく、自ら求人を探したいというユーザー向けにアンケートの設問を多くする、求人情報を充実させるといった求人条件を絞りやすい工夫はしていますね。LINE公式アカウントとして情報を届けるだけでなく、「ユーザーが能動的に求人を探したい時に役立つツール」としても活用してもらえるよう心がけています。

―潜在層ユーザーへの取り組みについてはいかがでしょうか?

まだこれからの部分が多いのですが、サービスをライトに使っていただけるように診断コンテンツであったり、自社サイトの記事を配信してみたりと検証しながら実施しています。

また、看護系イベントの告知配信や看護師向けお役立ち情報等、「直接的に集客につながらないが、需要のあるコンテンツ」についても、今後配信していきたいと考えています。


代理店運用からの転換で、LINE活用がここまで変わった

―Liglaを導入したことで、どのような成果や変化はありましたか?

集客数が顕著に伸びています。友だち追加広告(CPF広告)を自社運用に切り替え、成果が上がった影響もありますが、代理店に委託していた時期と比較してLINE公式アカウントの友だち数が3倍に伸びました。

また、定性的な面でいうと、自社内で運用できるようになったことで、1集客チャネルでしかなかったLINE公式アカウントが、他のマーケティングチームとのコラボレーションができるようになったことです。
例えば、インスタグラムの開設告知や顧客情報をよりパーソナライズされた形で配信する等、多くの方と手軽に1to1のコミュニケーションが取れるツールになったことは大きな変化ですね。また、施策の実施スピードもかなり早くなったと実感しています。



初期設定の心配は不要!リリース後のサポートも充実

―サポート体制についてはいかがでしたか?(オンボーディングや導入後)

立ち上げ時にやりたかったことは、代理店への委託時からの知見があったため、特に問題なく進めることができました。一方で、診断コンテンツやアンケートなどはゼロからの制作が必要でしたが、そうした部分に関しては手厚くサポートしていただきました。
特に弊社の場合、リリース日が決まっていて対応できるメンバーも限られていたため、初期設定をサポートしてもらったり、リリースに向けたスケジュールを細かく立ててもらったりと、大変助かりました。

また、リリース後も新しい施策のご提案や施策実行のサポートまでかなり充実していると感じます。


さらなる拡大に向けた、潜在層へのアプローチ

―今後Liglaをどのように活用していきたいと考えていますか?

現在の課題として、LINEの友だち登録からコンバージョン(CV)に至るまでに時間がかかってしまう点があります。そこで、今後はユーザーを細かくセグメント分けし、配信内容を変えたり、リッチメニューをユーザーごとに出し分けたりすることで、より効果的なアプローチを目指していきたいと考えています。たとえば、友だち登録から一定期間が経過したユーザーや、しばらくアクションのないユーザーに向けた配信などがその一例です。

また、自社サイトの顧客情報とLINEのデータを連携させ、登録後のフォロー施策にも力を入れていきたいという社内の声もあります。


LINE公式アカウント運用を代理店に委託していて課題を感じている企業におすすめ

―Liglaの導入を検討している企業に向けてメッセージをお願いします。

現在の課題として、LINEの友だち登録からコンバージョン(CV)に至るまでに時間がかかってしまう点があります。そこで、今後はユーザーを細かくセグメント分けし、配信内容を変えたり、リッチメニューをユーザーごとに出し分けたりすることで、より効果的なアプローチを目指していきたいと考えています。たとえば、友だち登録から一定期間が経過したユーザーや、しばらくアクションのないユーザーに向けた配信などがその一例です。

― 本日はお忙しいなか、ありがとうございました。


LINE経由のCVRが139%に。顧客体験の最大化をもたらす、じげんの姿勢とパーソナライズの工夫

株式会社じげんでは、生活機会の最大化を企業理念に掲げ、生活に関わる40以上のサービス「ライフサービスプラットフォーム」を展開しており、3年前から本格的なLINE運用を開始しています。友だち追加率の向上を図ったうえで、LINE経由で顧客ニーズに合わせたパーソナライズを『Ligla』で実装し、CVRを139%に向上させました。 繰り返しでの利用が少なくデータが集めづらい賃貸業においても、初回来訪でのアンケートで賃貸物件条件の把握と物件閲覧データに基づいたレコメンドを実装。今回は、LINEにおけるレコメンドが成功に至るまでのプロセスを、株式会社じげんの企画マーケティング部の西尾氏、ライフサービスプラットフォーム事業本部の塚田氏にお話を伺いました。

株式会社じげんとは

編集部:『Ligla』を活用しているじげんと事業について教えていただけますか?

西尾氏:じげんは2006年に創業しました。2017年に東証マザーズ上場、2018年東証一部、2021年に東証プライムに上場しています。求人・住宅・自動車や旅行など、生活に関わる幅広いサービスを展開しています。 事業の主要セグメントのひとつ、リビングテック領域(おもに住宅・不動産に関わる領域)では、賃貸情報サービスである「賃貸スモッカ」、リフォームの情報・見積もり比較サービス「リショップナビ」、ガス会社の情報・比較サイト「エネピ」などを展開しています。

塚田氏:とくに「賃貸スモッカ」をはじめとする賃貸情報サービスにおいて、LINE特化型マーケティングオートメーション『Ligla(リグラ)』を活用していますね。 2021年の不動産賃貸業・管理業の市場規模は約21兆円で2020年と大きく変わらない状況です。ただ、顧客を取り巻く環境は大きく変化しています。リモートワークが一般的になったことだけでなく、どの業界でもより自分のニーズに合う商品やサービスを求める傾向が強くなっていると感じていますね。

現状の取り組みと『Ligla』導入のきっかけ

編集部:現在のライフサービスプラットフォーム事業の取り組みについて、お聞きしてもよろしいでしょうか?

塚田氏:ライフサービスプラットフォーム事業ではWeb媒体の賃貸スモッカ、賃貸EXにてサービスの改善と集客チャネルの拡張・最適化に取り組んでいます。お問い合わせを含めた顧客体験の向上と売上・利益の最大化を目指すことをミッションとしています。 LINE・メールなどのダイレクトマーケティングチャネルでは、収益性が高いチャネルから利益を最大化する貢献をミッションとしています。顧客体験の向上と問い合わせ数の向上の両軸で活動しています。

西尾氏:賃貸事業全体では、引越しを検討している顧客と賃貸情報を掲載している不動産会社のマッチングサイトであることから、両者がWin-Winとなる仕組みを目指しています。 不動産会社は、成約単価を下げられるかがポイントのひとつです。そのうえで、エリアごとの成約率の向上を目指せば、顧客もニーズにあった物件が見つかるため、サービスとしても追求しています。

編集部:『Ligla』の導入のきっかけは何でしたか?

塚田氏:『Ligla』の導入は3年ほど前、LINEのプラットフォームの仕組みが変わったタイミングでしたね。従量課金制に変化し、これまでよりもコストが高くなってしまうという状況となりました。そのため、適切な顧客へのアプローチを効率化できるツールとして『Ligla』を選択しています。 顧客視点でも無駄な配信が多い場合、UXを高められないため、「これまで以上に配信の効率化・最適化ができるか」というポイントを優先しました。

編集部:当時のLINE活用はどのような状況だったのでしょうか?

西尾氏:Ligla導入前はLINEの配信設定が難しく、一週間に一回の定期配信設定に関しては、設定の度に何時間も消費している状況でしたね。検討から導入までは2カ月ほどで決定し、実際に『Ligla』を使用してみると時間的コストの問題を解決できました。

『Ligla』の成果と運用方法

編集部:現在はどのような施策を実施されていますか?

塚田氏:賃貸物件を探されているであろうお客様に対して、アンケートや行動をもとにセグメント分けした情報提供や、サイト上で閲覧した物件に合わせたおすすめ物件のレコメンドを実施しています。 最近では、アンケートで物件を探す上での希望条件をお伺いし、レコメンドに加味することで、よりお客様にあった情報提供が実現できています。 レコメンドは従来より成果がよかったのですが、更に成果を出すことができています。

編集部:アンケートにはどの程度の方が答えてくださるのでしょうか。また回答いただけるような工夫をされていたら教えてください。

西尾氏:1日150人程度の新規友だちに対して、アンケートを訴求し、約60%の友だちが全問解答してくださっています。アンケート解答率を上げるポイントは、「LiglaによるUIの設計」でした。画像を指定してボタンのように配置できるため、高い回答率につながっていると感じています。また、アンケートを送る対象条件を設定することも大切ですね。
じげんの他事業でも同様の施策を行っており、新規顧客のみに送ることで回答率が高まりました。
実施前、回答率が15%程度と想定していたのですが、新規友だちの約60%、アンケート開始後であれば80%の方に回答いただけています。アンケートに回答いただいた方はエンゲージメントが高いと考えられるので、回答有無で配信セグメントを分けることも配信の効率化につながっています。また、施策の導入では、カスタマーサクセスの方と何度もお話し、サポートしていただきました。

編集部:実際に『Ligla』をどのように運用されていますか?

西尾氏:マーケターを含めた担当者2人でPDCAを回しています。具体的には毎日送られてくるレポートを確認、傾向が掴めた段階で運用を調節、大きな変更や新しい配信形式を作る場合はマネージャーに相談・チェックというサイクルです。 配信の結果に対して、スピーディーな対応を心がけています。例えば、ブロック率が上がった、配信コストが上がったといったことがないように、各配信のCVRやセッションなどは社内のKPIを意識していますね。 普段運用に割いている1日の時間は数値確認に1日30分程度、新規施策の配信設定時は2アカウント合わせて4~5時間程度です。新しい配信内容を作るタイミングでは、大きく変更するケースもあるものの、管理画面をずっと見ているような状況にはならないですね。

編集部:運用の際のポイントはありますか?

塚田氏:過去の施策を通して把握した配信時間や曜日、配信回数などの細かいチューニングを調整するよりも、じげんとして次のような「これまでにやっていないことをやる」姿勢が結果につながっていますね。
・自動応答によって新規顧客のCVRを上げる
・各部門への横展開(賃貸からアルバイトなど)
・配信最適化(ダイナミック配信、セグメント配信、APIの個別配信などの新規実施・磨き込み)
・対話型アンケートも含めた顧客情報の取得、顧客体験の向上
施策の流れでは、実施していた友だちの追加率の増加施策から、CVRや1つの配信に対する価値の追求に移行し、ユーザーセグメントに合わせた情報提供の最適化へと変化して、事業を拡張してきましたね。過去の施策の結果が今の施策に活用できている点は大きいといえます。

編集部:『Ligla』を使用し、省力を実践できているポイントは何でしょうか?

塚田氏:『Ligla』で省力を実感できているポイントは、エンジニアのリソースを使用しなくても良い点です。仮に『Ligla』のようなツールなしでLINEの新しい施策を実装する、追加するとなった場合は、エンジニアの工数やリソース・コストを検討しなければなりません。
しかし、現在実施している対話型アンケートなどの施策は管理画面からの操作でカバーできるものが多い点は有り難いですね。

『Ligla』の評価とじげん社内での横展開

編集部:『Ligla』に対してどのように評価されていますか?

塚田氏:導入当初を振り返ると、コストパフォーマンスや機能の追加、サポート体制を評価していました。最近では、より優れたユーザー体験の向上に役立っていると感じています。後追いのチャネルとして、リピーターをどうやって作っていくのかといったポイントを『Ligla』でカバーしている状況ですね。じげん内部のみのリソースでは、更に顧客から情報を得る施策を展開できなかったと感じています。 転職や引越しなどのライフイベントに関わるサービスはもともと「リピーターが発生しづらい領域」です。例えば、賃貸で引越しを行った場合、すぐに引っ越すパターンは多くないといえます。そのため、通常であればリピートがなかったり、情報が集めにくかったりといった状況になるケースは少なくありません。 そういった環境もふまえて、セグメントを細かく分けて配信できる点にありがたみを感じています。じげんとしてリソースが限られた中で、上手く顧客のニーズを掴み、レコメンドを表示できている点は『Ligla』の魅力のひとつです。

編集部:じげんでは『Ligla』を他サービスでも使用していただいています。横展開が進んでいる理由は何でしょうか?

西尾氏:横展開が進んでいる理由は、2つあります。
ひとつは、じげんとして「いいものがあればと取り入れる」、「共有して事業を伸ばす」という姿勢がある点です。もうひとつは、メルマガやLINE、アプリといったリピート系の施策で実績が出ている点です。じげんで展開している事業はビジネスモデルの構造や集客経路が似ているものも多いので、横展開しやすかったとも感じています。 横展開の具体的な例を挙げると、フランチャイズ比較メディアで実施していたアンケート型のレコメンドを不動産事業部にも横展開しています。今後は、求人サービスやエネルギーサービスにも展開する予定です。

今後実現していきたいマーケティング活動・世界観

編集部:最後に今後実現していきたいマーケティング活動・施策があれば教えてください

塚田氏:今考えているのは、「どのようなモチベーション・セグメントの顧客にも寄り添えるサービスやLINEの案内を追求していきたい」という想いですね。より細かくセグメントを分け、より細かい質問内容を検討していくといった流れになるかと想定しています。 また、動的リッチメニューの導入も検討しています。顧客が能動的に動ける状態を作り上げることが結果につながると考えていますね。ステップ配信に関しても今後取り組んでいきたいです。

西尾氏:じげんはSEO・リスティング広告などの面から、検索エンジンの流入に関して、強い企業ではありました。しかし、それだけではサービスに関わる方への価値提供が最大化できないと感じています。そのため、今後は次の3つの施策に力を入れていく予定です。
・チャネルの拡張
・既存顧客に対する価値の最大化
・プロダクトの価値の向上

とくに、既存顧客・新規顧客に対してどのような価値を提供できるかに焦点を当てていくことに注力したいです。例えば、データを活用したうえで、「顧客がもっと使いやすいUIにしていく」、「レコメンドの機能・パーソナライズを最適化していく」といった変化は必要になってきます。
サイト内の回遊状況、サービスの利用状況などを加味し、LINEに反映していくといった施策・活用を行っていきたいですね。メルマガに関しても、重複した内容を送らないといった顧客が使いやすいサービスや集客チャネルとして活用していきたいです。じげんグループ全体としては、LINEのシェア率は大きく変化ありません。友だち追加の導線をアプリにしている点を含めて、シェア率は変わらない設計となっているためです。しかし、売上に関しては向上しており、利用者は1.5倍に増加しています。

編集部:最後にじげんが目指す世界観を教えてください。

塚田氏:賃貸情報サービスにおいては、「引越し前だけでなく、引越し後も使えるサービスになっていく」ことを目指したいですね。そして、LINEをこの役割を担うチャネルにしていきたいと思っています。 例えば、現在は「引越しする気がない顧客の囲い込みやヒアリングを行い、提供できる価値を最大化できれば、じげんとしても良いサイクルができる」と感じました。将来的には、物件の情報だけではく、家具・家財などの紹介も行っていきたいと考えています。 そのうえで、『Ligla』の機能とLINEをもっと上手く活用できれば、顧客のLTVの最大化が可能だと実感しています。賃貸情報サービス意外にも、リフォームをはじめとする生活に関わるサービスは多数もあるため、事業を横断した連携も高めていきたいです。

西尾氏:じげんは、LINEによるマーケティング施策で一定の効果を上げました。これまでのマーケティング施策による知見も含めて、全ては顧客に対する価値提供とより優れた体験の提供のために活用しています。 今後もじげんは、LINEによる集客導線を最適化し、自社の利益だけでなく、サービスを通じて顧客に対する価値提供・顧客体験の向上に努めていきます。