「健康に前向きな社会を創り、人類のポテンシャルを引き出す。」をミッションに掲げるコンディショニングブランド「TENTIAL」。
この躍進の背景にあるのは、広告による新規獲得の強化だけではなく、LINEを基盤としたデータ活用だ。
同社は『Ligla』の導入により、自社顧客データとLINEを統合。その結果、ツール経由の新規施策による純増分のROAS(費用対効果)が3カ月で500%に達した 。単なる「配信ツール」を超え、ブランドと顧客を繋ぐ「接客プラットフォーム」へと進化させた戦略の裏側に迫る。
インタビュアー:まず事業内容と、お二人のご担当領域について教えていただけますか?
泉様:弊社は「健康に前向きな社会を創り、人類のポテンシャルを引き出す。」をミッションに掲げるコンディショニングブランド として、リカバリーウェアの『BAKUNE』シリーズを中心に事業を展開しています 。
その中で私の管轄しているCRMグループは、LINEやメールなどのチャネルを通じて、お客様に継続的にブランドを好きになっていただくためのコミュニケーション設計を担当しています 。私自身は全体の意思決定やデータ分析、戦略立案をメインに行っています 。
阿蘇品様: 私は、LINE公式アカウントの運用実務や具体的な施策の企画・立案を主に担当しています 。 具体的には、Liglaの管理画面を触りながら、お客様の状況に合わせたメッセージの配信設定や、ID連携を促進するための動線作りなど、現場のオペレーション全般を指揮しています 。

TENTIALのCRM戦略とは
泉様:当社は「健康」という領域で事業を展開していますが、一口に健康と言っても、お客様のライフスタイルや悩みは千差万別です。
例えば、当社のコンディショニングブランド「TENTIAL」では、単一のカテゴリではなく「コンディショニング」という軸で事業を展開しています。疲労や冷えといった「お悩み軸」で商品を選ぶ方もいれば、働く時や眠る時といった「シーン軸」で選ぶ方もいます。
このように多様化したニーズに対し、CRMを強化してお客様の解像度を上げることで、一人ひとりに最適なコミュニケーションをとることが不可欠になっていると感じています。
また、弊社の特徴として、データの管理などは外部ベンダーに頼らず、社内のエンジニアと連携して内製化しています 。そのため、お客様の購買データや属性に合わせた非常に精度の高いセグメント配信を行うことが、私たちのCRM活動における大きな強みになっています 。
一斉配信の限界とLTV
インタビュアー:Ligla導入前に抱えていた課題を教えていただけますか?
阿蘇品様: 当社の大きな特徴として、自分用だけでなく「ギフト」として購入されるお客様が非常に多いという点があります。私たちは、ギフトを「贈った方」だけでなく「もらった方」との繋がりも強化したいと考えていました。
しかし、当時のLINEの標準機能だけではセグメント配信やシナリオ設計に制限があり、お客様の状況に応じた出し分けができませんでした。
結果として、全員に同じ内容を送る「一斉配信」がメインになってしまい、売上やLTV(顧客生涯価値)の面で大きな機会損失が生まれていたことがツール検討のきっかけです。
インタビュアー:数あるLINEツールの中で『Ligla』を選んだ理由は何でしたか?
阿蘇品様:データ活用の柔軟性、実施したい施策が実現できる配信機能が標準実装されているか、管理画面の使いやすさ、という3点を重視しました。
管理画面が直感的で操作も簡単という点は、社内マニュアルを整備しなくても運用に乗せやすく、複数メンバーでも共通認識を持って進められています。細部まで運用者視点で設計されている点が魅力的でした。
泉様:まさにそこが採用・継続している最大の理由です。私たちのチームは、マーケター自身がデータを抽出・加工して施策に落とし込みます。直感的な管理画面のおかげで、社内マニュアルを作らなくても現場がすぐに使いこなせ、スピード感を落とさずにPDCAを回せています。
阿蘇品様:本当に運用者目線でUI/UXが設計されていると感じます。「これができたらいいのに」という細かい要望が痒いところに手が届くように実現できます。
LINEを「最強の接客ツール」に変えた3つの一手
インタビュアー:具体的にLiglaを導入してから、どのようにLINEを「最強の接客ツール」へと進化させていったのでしょうか?鍵となった「施策」について教えてください。
阿蘇品様:「お客様がタイムリーに欲しい情報を届ける自動配信」の設計を行いました 。これまでメールのみで送っていた「会員ランクアップ」や「クーポン期限」の通知をLINEに切り替えました 。 メールだとどうしても他の情報に埋もれてしまいますが、開封率の高いLINEで届けることで、お客様がメリットを見逃さなくなりました 。
特に「再入荷通知」や「在庫が少なくなっています」というお知らせはコンバージョンが非常に高く、利便性の向上を実感しています 。
また、「友だち追加導線の最適化」も進めています 。一度LP(ランディングページ)に飛ばし、そこでLINE登録を促していましたが、直接LINEの友だち追加ができる動線に変更し、「一歩減らす」という改善で、友だち追加率が劇的に伸びました 。
インタビュアー:かなりLiglaを使いこなしている印象ですが、設定ハードルはどうでしたか?
阿蘇品様:実は、初期の1ヶ月だけで数十個の施策を一気にリリースしたんです。ツールの使いやすさに加え、カスタマーサクセスの方の迅速かつ丁寧なサポートがあったからこそ、このスピード感で検証を進めることができました。
ID連携がもたらした「LTV 1.2倍」の衝撃
インタビュアー:さまざまな施策を展開されていますが、定量的にはどのような成果が出ているのでしょうか?
泉様:お客様のニーズに沿った配信ができるようになったことで、開封率やCTR(クリック率)が大幅に向上しました。驚いたのは、導入わずか3ヶ月で、ツール経由の新規施策における純増分のROASが500%を達成したことです。初動から非常に高い成果が出ました。
また、最重要KPIとして追っていた「LINEとのID連携率」も導入後に約1.2倍に向上しています。
今後もさらにストレスのない連携体験を通じてID連携を促進し、よりパーソナライズされたコミュニケーションへ繋げていきたいと考えています。

失敗しないための「ツール選定のアドバイス」
インタビュアー:さまざまな施策を展開されていますが、定量的にはどのような成果が出ているのでしょうか?
泉様:「組織のケイパビリティ(能力・体制)に合ったツール選定」が一番重要です。
データ連携や分析をゴリゴリ回せる組織なら自由度の高いツールが合っていますし、逆にデータに強い人材が限られているなら、SQL不要でノーコードで直感的に動かせるツールを選ぶべきです。自社の組織体制を見極めて選ぶのが失敗しないコツです。
インタビュアー:最後に、今後のLINE活用、そしてCRM戦略全体としての展望を教えてください。
阿蘇品様: これまではLINE単体での施策を固めてきましたが、今後はメールやアプリといった他のチャネルとの「使い分け」をさらに突き詰めていきたいと考えています。
例えば、LINEとメールで同じ内容を重複して送ってしまうのではなく、Liglaから抽出した詳細なデータを活用して、「このお客様はLINE派だからLINEをメインに」「この方はメールの方が反応が良い」といった、ユーザーに最適化された効率の良い配信設計を目指しています。
機能を使いこなすだけでなく、お客様にとって「邪魔にならない、でも必要な時にそこにある」という心地よい距離感をLINEで実現していきたいです。
泉様:LINEに関しては単なる「配信ツール」ではなくなっていくと考えています。お客様の状態をリアルタイムに把握しCRMを強化して行くことで、LINEは顧客体験そのものを拡張するプラットフォームへと進化していくと思います。
今後はギフト選びの支援や日々のコンディショニングを整えるサポートなど、ブランド独自の体験をLINE上で提供し、購入後の継続利用やLTV向上につなげる動きが広がっていくと考えています。

