LINEマーケティング自動化サービスLigla(リグラ)のカスタマーサクセスチームが、LINE公式アカウントの料金改定への対策と、配信効率を上げる具体的な方法を解説します。
2023年6月の大幅な料金改定に続き、2026年10月1日には追加メッセージ料金のさらなる改定が予定されており、特に大量配信を行っている企業は早急な対応が必要です。
現行の料金プランの正確な理解から、コストを抑えながら配信効果を高めるための実践的な方法までを網羅的にご紹介します。
LINE公式アカウントの料金改定をおさらい|現行プランを正しく理解しよう
2023年6月の料金改定の概要
LINE公式アカウントは、2023年6月に大きな料金改定を実施しました。改定の背景には、企業から友だち全員への一斉配信を見直し、ユーザー一人ひとりに適したメッセージを届けるコミュニケーションへの転換という方針があります(出典:LINEヤフー for Business)。
この改定では月額固定費こそ変更されませんでしたが、各プランの無料メッセージ通数が大幅に削減されました。それまで無料プランで1,000通・ライトプランで15,000通配信できていたものが、それぞれ大幅に減少しています。また、ライトプランの追加配信が完全に廃止されたことも、多くの企業にとって大きな変更点でした。
現行3プランの料金一覧
現在のLINE公式アカウントには、以下の3つのプランがあります。プラン選択の際は特に「追加配信の可否」に注意が必要です。
| プラン名 | 月額(税別) | 無料メッセージ通数 | 追加配信 |
|---|---|---|---|
| コミュニケーションプラン | 0円 | 200通/月 | 不可 |
| ライトプラン | 5,000円 | 5,000通/月 | 不可 |
| スタンダードプラン | 15,000円 | 30,000通/月 | 可(従量課金・最大3円/通) |
出典:LINEヤフー for Business 公式サイト(lycbiz.com)
ライトプランは月額5,000円(税別)ですが、追加配信は「不可」です。5,000通を超えた分は配信できません。追加配信が必要な場合は、スタンダードプラン(月額15,000円・税別)への移行が必須となります。
2026年10月1日に追加メッセージ料金が改定|変更点を正確に把握しよう
LINEヤフーが公式発表した改定内容
2026年2月16日、LINEヤフーは追加メッセージ料金の改定を公式に発表しました。2026年10月1日より、スタンダードプランにおける追加メッセージの料金体系が変更されます。
改定後の料金は以下の2段階構造になります。
- 月間20万通まで:1通あたり3円(現行と変わらず)
- 月間20万通を超えた分:1通あたり2.5円
出典:LINEヤフー for Business「追加メッセージ料金改定のお知らせ(2026年2月16日)」
現行は配信量が多いほど単価が下がる段階的な料金体系でしたが、改定後は「20万通まで3円・20万通超は2.5円」というシンプルな2段階構造に変わります。月間20万通を大きく超えて配信している企業は、現行料金と新料金の差分をあらかじめシミュレーションしておくことが重要です。詳細な料金シミュレーションは、LINEヤフー for Business公式サイトにてご確認ください。
今回の改定は「追加メッセージ(30,000通の無料枠を超えた分)」の料金が対象です。月間30,000通以内の配信にとどまるスタンダードプランの場合、固定費には変更がありません。ただし、現在の配信量を早めに把握し、2026年10月までに配信設計を見直しておくことをお勧めします。
料金改定への対策|配信コストを抑えるための4つのアプローチ
料金改定への対策は、大きく「配信通数を削減する」方向と「同じ通数でも効果を最大化する」方向の2軸があります。以下、代表的な4つの対策を解説します。
① 配信頻度を見直す
最もシンプルな対策が、配信頻度そのものを見直すことです。「月に何回送っているか」「毎回すべての友だちに送る必要があるか」を一度棚卸しするだけで、無料通数の範囲内に収められるケースも少なくありません。
ただし、単純に配信頻度を下げるだけでは、ユーザーとのコミュニケーション機会が減少し、LTVに影響を与える可能性があります。「何を送るか」をより厳選し、1回あたりの配信の価値を高めることが、配信頻度削減とのセットで重要です。
② リッチメニューを活用して配信通数を節約する
リッチメニューとは、LINE公式アカウントのトーク画面下部に常時表示されるボタン形式のメニューです。プロモーション情報やよくある質問への回答、キャンペーン告知をリッチメニューに組み込むことで、メッセージ配信なしにユーザーへ情報を届けることができます。
リッチメニューの活用が特に有効なシーン:
- 定期的に更新されるキャンペーン情報の掲載
- よくある質問(FAQ)へのリンク設置
- 商品カテゴリや公式サイトへの誘導
- LINE外のコンテンツへのトラフィック送出
一度設定すれば自動で表示され続けるため、メッセージ配信の「代替手段」として非常に費用対効果が高い施策です。
③ 自動応答メッセージを有効活用する
自動応答メッセージとは、ユーザーが特定のキーワードを送信したときに、あらかじめ設定したメッセージが自動返信される機能です。応答メッセージは従量課金の対象外のため、配信通数の消費なしにユーザーとコミュニケーションが取れます。
活用方法の例:
- 「予約」「営業時間」などのキーワードに対して自動返信を設定
- 「クーポン」「セール」などを送ると関連情報が届く仕組みを構築
- よくある問い合わせへのテンプレート回答を設定
プッシュ配信ではなくユーザーが自ら情報にアクセスする「プル型」の仕組みを作ることで、配信通数を抑えながらも顧客満足度を維持できます。
④ セグメント配信(絞り込み配信)で無駄な配信を省く
セグメント配信とは、すべての友だちに一斉送信するのではなく、属性や行動履歴に基づいて特定のユーザーグループにのみメッセージを送信する方法です。LINE公式アカウントでは「絞り込み配信」とも呼ばれます。
セグメント配信を活用することで、以下のメリットが得られます:
- 配信先を絞り込むことで、1配信あたりの消費通数を削減できる
- ユーザーに関連性の高いメッセージが届くため、開封率・CTRが向上する
- 関係のない情報の受信による不満が減り、ブロック率の低下につながる
- メッセージの反応率が上がることで、同じ通数でも高いROIが実現できる
セグメントの切り口としては、以下のような条件が活用できます:
| セグメントの種類 | 内容・具体例 |
|---|---|
| 過去の配信への反応 | 前回のメッセージを開封したユーザーのみに追加配信 |
| チャットタグ | 「購入経験あり」「問い合わせ済み」など、属性ラベルで絞り込み |
| クリックオーディエンス | 特定のリンクをクリックしたユーザーへ関連情報を送信 |
| デモグラフィック | 性別・年齢・地域など(※友だち数が一定数以上の場合に利用可) |
たとえば、セール情報を全体配信した後、メッセージを開封したユーザーにのみリマインドを送るという2段階の配信設計を取ることで、配信通数を大幅に削減しながら購買につながる接触回数を確保できます。
料金改定対策の効果をさらに高める「配信の質」の向上
開封率・CTRを意識した配信設計
配信通数を削減するだけでなく、1通あたりの効果を最大化する視点も料金改定対策において重要です。同じコストをかけるなら、より多くの反応・成果を引き出せる配信設計を目指しましょう。
開封率・CTR向上のために意識したいポイント:
- 配信タイミング:昼休みや夜間など、ユーザーがLINEを確認しやすい時間帯を選ぶ
- メッセージの冒頭文:トーク一覧に表示されるテキストで興味を引く工夫をする
- ビジュアルの活用:画像・カードタイプメッセージを使い、直感的に内容が伝わるようにする
- CTAを明確に:「詳しくはこちら」など行動を促すボタン・リンクを設置する
ブロック率を下げる運用の工夫
いくら配信通数を節約しても、送った相手にブロックされてしまっては元も子もありません。ブロックされるとその友だちへは以後メッセージが届かなくなるため、友だち数の減少=配信可能なリーチの縮小につながります。
ブロックされにくい配信のためのポイント:
- ユーザーが「自分に関係ある」と感じる内容を送る(=セグメント配信の徹底)
- 配信頻度が多すぎないか定期的に見直す
- セール情報だけでなく、役立つ情報やコンテンツを組み合わせる
- 配信時間が深夜・早朝にならないよう設定する
配信通数の削減と配信の質向上は、どちらか一方ではなくセットで取り組むことが重要です。通数を削減しながら開封率・CTRを高めることができれば、コストを抑えつつ以前と同等以上の成果を出すことが可能になります。料金改定をきっかけに、配信設計全体を見直す機会にしましょう。
セグメント配信の精度を高めて、コストと効果を両立させよう
ここまで解説してきた対策の中でも、特に効果が高いのがセグメント配信の精度を高めることです。単純に配信頻度を下げるだけでは、必要なユーザーへの接触機会も失ってしまいます。一方、セグメント配信を最適化できれば、配信通数を削減しながらも反応率・成約率を維持・改善することが可能です。
料金改定を「コスト削減のピンチ」と捉えるのではなく、配信の質を高めるきっかけとして活用することが、LINE運用において長期的な競争力につながります。セグメント配信の具体的な実践方法や活用事例については、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください。