大手食品メーカーとして知られる森永製菓株式会社。定期通販モデルを軸としたダイレクトマーケティング事業を展開する同社では、年々低下するメールの反応率に危機感を抱いていました。その打開策として選んだのが、顧客一人ひとりに寄り添うLINE活用です。
導入からわずか1年で売上を2倍に伸ばし、ID連携者の継続率も通常顧客の2倍という驚異的な成果を叩き出した裏側には、ツール『Ligla』を駆使した緻密な戦略がありました。
本記事では、同社の矢島氏に、具体的な施策と成功の秘訣を詳しく伺います。
森永製菓株式会社のダイレクトマーケティング事業とは
インタビュアー:まず事業内容と、矢島さんのご担当領域について教えていただけますか?
矢島氏:弊社が運営する森永ダイレクトストア(健康食品通信販売)は定期購入を主軸とし、単品販売だけではなく、お客様との長期的な関係構築を重視するビジネスモデルです。そのため、いかに長くご継続いただけるかが事業の生命線となります。私はCRM・フルフィルメント担当として、メール・LINE・ハガキなどのチャネルを通じた顧客との関係づくりを担当しています。

メールの反応率低下が危機感に。LINEの「開封率3倍」というポテンシャルにかけた期待
インタビュアー:Ligla導入前に抱えていた課題を教えていただけますか?
矢島氏:デジタルの接点を強化していく方針の中で、これまではメールを主軸に活用していました。ただ、年々開封率が下がり、クリック率の低下も感じていました。一方でLINEはメールと比べて開封率が3倍、クリック率は5〜10倍という状況が弊社でも見られており、そのポテンシャルの高さを感じていました。私が担当になった2024年4月から、LINEの戦略的な拡大に向けた検討を開始したのがきっかけです。
インタビュアー:数あるLINEツールの中で『Ligla』を選んだ理由は何でしたか?
矢島氏:まず新規顧客との接点を広げられる「通知メッセージ」が使えるツールという観点で選択肢を絞りました。その中でLiglaを選んだ理由は大きく3つあります。
1つ目は、One to Oneマーケティングを実現する高度な機能群です。Web行動履歴に基づく配信や、基幹システムとの連携による詳細なセグメント分けが可能でした。
2つ目は、お客様のファン化を促す仕掛けです。スタンプラリーやミッション機能など、継続的なエンゲージメントを生む仕組みを評価しました。
最後は、『人』への信頼です。機能面はもちろんですが、営業担当の方の熱意や、伴走の仕組みや安心感のあるサポート体制も大きな決め手となっています。
「一方的な通知」から「双方向のプラットフォーム」へ。シニア女性に寄り添うUIの工夫
インタビュアー:メールなど他チャネルと比較して、LINEをどのように位置づけていますか?
矢島氏:私たちの定期通販モデルにおいて、最も重要なのはお客様との長期的なコミュニケーションです。これまでのメールやハガキは、どうしても私たちからの『一方的な通知』になりがちで、お客様の反応が見えにくいという課題がありました。また、詳細確認のためにECサイトのマイページへログインしていただくのも、お客様にとっては心理的なハードルが高いものです。
その点、LINEは生活に溶け込んだ身近なツール。私たちからの情報発信だけでなく、お客様からもアクションをいただける『双方向のコミュニケーション』が可能です。新商品の案内といったプッシュ通知はもちろん、リッチメニューを開けば定期便の変更や配送状況の確認、さらには健康情報購読までが手軽に完結します。『便利で楽しい、お客様との共通プラットフォーム』。それが私たちの目指すLINEの姿です。

インタビュアー:リッチメニューのクリエイティブはどのような工夫をされていますか?
矢島氏:シンプルでわかりやすいリッチメニューを心がけています。情報を入れ込んだバナー型のメニューを展開している企業さんも多いと思いますが、弊社はトンマナをそろえた内容で6メニューを配置し、なるべく視認性を高める意識で作っています。これはやはりシニアのお客様が多いため、なるべくシンプルにわかりやすく、文字も大きくという方針からきています。
セグメント配信とID連携の工夫
インタビュアー:ID連携者以外の方にもコミュニケーションを取られていると伺いましたが、その背景を教えていただけますか?
矢島氏:定期通販では、まずお試しで体験いただき、ご満足いただければ定期お届け便に移行いただくのが基本の導線です。一方で、お試し後に定期へつながらないケースもあり、私たちの体験設計やご案内の磨き込みが課題だと捉えています。そこで、ID連携の状況にかかわらず、お客様の行動や関心に基づくセグメントで、新商品やキャンペーンを適切なタイミングとチャネルでご案内し、ファン化を進めています。
インタビュアー:友だち追加後のアンケートや初期コミュニケーションについて教えていただけますか?
矢島氏:最初の挨拶メッセージの中でアンケートを取得しています。定期契約をされているかどうか、どの商品に興味があるか、どんな未来を目指しているかといった内容をヒアリングしています。例えばコラーゲン商品のユーザーには「美容目的なのか、健康維持目的なのか」といった目指す未来を選んでいただき、それによってその後のシナリオ配信を出し分けていく仕組みを構築しています。健康食品のお客様にとっては、目指す未来が商品選びの動機になっているので、そこを丁寧に聞くことが大切だと考えています。

インタビュアー:ID連携を促進するための工夫はありますか?
矢島氏:ID連携を促進するために、主に3つの工夫を凝らしています。
1つ目は、導線の最適化です。基幹システムから生成されるID連携用URLを、お客様の目に留まりやすい適切な箇所へ戦略的に配置しました。
2つ目は、視覚的なメリット訴求です。リッチメニュー内の特定機能に『鍵マーク』を表示させ、連携することで便利機能が解放されることを直感的に伝えています。
3つ目は、心理的な後押しとなるキャンペーンです。定期的に『ID連携者限定プレゼントキャンペーン』を実施しており、1回の配信で数百件もの連携に繋がることもあります。当選人数を絞ることでコストを抑えつつ、極めて高い投資対効果(ROI)を実感しています。

新規友だち獲得の施策
インタビュアー:新規の友だち獲得に向けた施策について教えていただけますでしょうか?
矢島氏:まず通知メッセージの活用があります。またWebサイトのサイドやポップアップに「おすすめ商品診断コンテンツ」を設置しており、そこから友だち追加につなげています。オフラインでは、ハガキやチラシにもLINE友だち追加の案内と二次元コードを積極的に掲載しています。デジタルとオフラインの両面から獲得の入口を作っている状況です。
【主要指標が軒並み2倍】ID連携により、通常顧客比で「継続率2倍」を達成
インタビュアー:定量・定性の両面で成果を教えていただけますか?
矢島氏:成果はあらゆる指標に現れています。まず、LINE経由の売上が『Ligla』導入前と比較して約2倍に成長しました。友だち数は10ヶ月で約6万8千人から約13万人へ、ターゲットリーチも約5万人から約9万5千人へと、共に倍増しています。
特筆すべきは、ID連携者の6ヶ月継続率が通常顧客の2倍という結果が出ている点です。LINEのリッチメニューからでマイページへのシングルサインオンや定期スケジュールの変更や配送状況の確認が完結する利便性が、継続利用の強力な一因となっています。
実際、リッチメニューの月間クリック数は4万回を超え、そこからのコンバージョンは導入前比で3倍に。基幹システムとのカスタム連携による配送状況確認機能も月間5,000件ほど活用されており、利便性向上と運用効率化を同時に実現できています。
定性的な面では、この1年で社内でのLINEの位置づけが大きく上がったと感じています。今後さらに取組を拡大させていく必要があると共通認識になりつつ期待感が高まっています。
今後実現していきたいこと
インタビュアー:今後の展望について教えていただけますか?
矢島氏:まずインスタントウィンの導入を進めています。挨拶メッセージの中でインスタントウィンを回してもらい、定期契約のお客様には毎週当選のチャンスを設けるといった内容で、お客様がLINEアカウントに繰り返し訪問してくれる仕掛けを作っていきたいと考えています。また、バースデー配信は現在非常に好調で、配信数に対する売上が高い施策になっています。こういった「お客様独自のタイミング」での自動配信をさらに増やしていくことで、効率と回収率を高めていきたいです。
インタビュアー:最後に、LINEマーケティングやLiglaの導入を検討されている方々へのメッセージをお願いします。
矢島氏:弊社としては、LINE上で双方向の企画や参加型コンテンツを今後も実装していく予定です。お客様に楽しんでいただける接点を増やし、できるだけ長く弊社とつながりを持っていただけるよう取り組んでいきます。こうした施策は「Ligla」ならスピーディに実装できると考えています。LINEの拡張ツールは機能も多彩で選定に悩みがちですが、Liglaは操作性が高く、サポートも手厚いため安心しておすすめできます。

「高齢社会×情報」を切り口にした40以上のサービスを提供する株式会社エス・エム・エスは、「看護師の不足と偏在を解消し、質の高い医療・介護サービスの継続提供に貢献する」をミッションに、看護師の人材紹介サービス「ナース専科 転職」を展開しています。
ナース専科 転職のマーケティング部署では、サービスをより多くの看護師に使ってもらうために求職者の新規獲得をミッションとして活動されています。その中でもA.Uさんはディスプレイ広告やLINE広告アカウント運用等のWebマーケティング領域をご担当されています。
今回はそんなA.UさんにLigla導入の背景や導入後のご状況、今後の展望についてお話を伺いました。
他部署での成功体験がLigla導入検討のきっかけに
―Liglaを知ったきっかけを教えてください
もともと代理店にLINE公式アカウントの運用を委託していたのですが、より自社で成果をコントロールしたい、注力していきたいという話になり、内製化をする方針になりました。そこでツールを検討し始めたのですが、実は他事業部ですでにLiglaが導入されており、長期間運用している実績や使い勝手が良いという生の声を聞いて導入を検討し始めました。
また、デモで管理画面を見せていただいた際に、かなり直感的に操作できる画面だなと感じました。比較検討段階からLiglaの存在感は大きかったですね。
費用対効果と施策の実施スピードを改善するために内製化を推進
―LINE公式アカウント運用の内製化を進めた理由はなんでしょうか?
内製化を進めたかった理由は、大きく分けて2つあります。まず1つ目は、コスト面でのメリットが大きいと判断したためです。外部に依頼するよりも、自社で対応したほうが費用を抑えられると考えました。
もう1つは、自社が伝えたい内容をより早く、的確に表現するためです。外部の人が関わることで、意図がうまく伝わらなかったり、対応に時間がかかったりするケースが多く、施策実施までの時間や表現の精度に課題を感じていました。こうした背景から、内製化の方針に至りました。
豊富な機能と直観的でわかりやすい管理画面のUIが導入の決め手に
―Liglaを導入するに至った背景を教えてください
まず1つ目は、機能の充実度です。特にLiglaでは求人配信に関する機能が他社サービスより優れていると感じました。例えば、行動履歴に基づいたリマーケティング機能や即時のレコメンド配信、データ連携のスムーズさなど、自動化や即時性に強みがあり、とても魅力的でした。
2つ目は、「操作のしやすさ」です。他のサービスでは、実装の際にJsonなどを使った開発が必要になるケースが多く、専門的な知識が求められました。一方でLiglaは、エンジニアでなくても直感的に操作できる優れたUIを備えており、誰でも簡単に使える点が非常に魅力的でした。
特にデータ連携の部分については、通常であれば、レコメンド配信を行うために、かなり手間のかかる作業が必要になると思います。

パーソナライズされたコミュニケーションを実現し、成果を実感
―Liglaをどのように活用されていますでしょうか?
求人情報に関する配信は作り込んでいますね。
具体的にいうと、行動履歴に基づいたリマーケティング機能、アンケートの回答内容を活用した即時のレコメンド配信、対話型のアンケート機能になります。対話型アンケートについては「都道府県」や「雇用形態」など希望条件に合わせたシナリオ配信として活用しています。
求人配信は特に顕在層のユーザーには効果を発揮しやすいため、Liglaを活用することでより効率的に成果を上げられていると実感しています。その他には、定期的に行うテーマ別のプッシュ配信も実施しています。
Liglaを活用し属性によって情報の量と質を使い分け
―Liglaを活用する中で、何か工夫されていることはありますか?
過去にどういった配信に人気があったかという点に目をつけ、細かくPDCAを回すようにしています。また、サービス側から「配信するだけ」ではなく、自ら求人を探したいというユーザー向けにアンケートの設問を多くする、求人情報を充実させるといった求人条件を絞りやすい工夫はしていますね。LINE公式アカウントとして情報を届けるだけでなく、「ユーザーが能動的に求人を探したい時に役立つツール」としても活用してもらえるよう心がけています。
―潜在層ユーザーへの取り組みについてはいかがでしょうか?
まだこれからの部分が多いのですが、サービスをライトに使っていただけるように診断コンテンツであったり、自社サイトの記事を配信してみたりと検証しながら実施しています。
また、看護系イベントの告知配信や看護師向けお役立ち情報等、「直接的に集客につながらないが、需要のあるコンテンツ」についても、今後配信していきたいと考えています。
代理店運用からの転換で、LINE活用がここまで変わった
―Liglaを導入したことで、どのような成果や変化はありましたか?
集客数が顕著に伸びています。友だち追加広告(CPF広告)を自社運用に切り替え、成果が上がった影響もありますが、代理店に委託していた時期と比較してLINE公式アカウントの友だち数が3倍に伸びました。
また、定性的な面でいうと、自社内で運用できるようになったことで、1集客チャネルでしかなかったLINE公式アカウントが、他のマーケティングチームとのコラボレーションができるようになったことです。
例えば、インスタグラムの開設告知や顧客情報をよりパーソナライズされた形で配信する等、多くの方と手軽に1to1のコミュニケーションが取れるツールになったことは大きな変化ですね。また、施策の実施スピードもかなり早くなったと実感しています。

初期設定の心配は不要!リリース後のサポートも充実
―サポート体制についてはいかがでしたか?(オンボーディングや導入後)
立ち上げ時にやりたかったことは、代理店への委託時からの知見があったため、特に問題なく進めることができました。一方で、診断コンテンツやアンケートなどはゼロからの制作が必要でしたが、そうした部分に関しては手厚くサポートしていただきました。
特に弊社の場合、リリース日が決まっていて対応できるメンバーも限られていたため、初期設定をサポートしてもらったり、リリースに向けたスケジュールを細かく立ててもらったりと、大変助かりました。
また、リリース後も新しい施策のご提案や施策実行のサポートまでかなり充実していると感じます。
さらなる拡大に向けた、潜在層へのアプローチ
―今後Liglaをどのように活用していきたいと考えていますか?
現在の課題として、LINEの友だち登録からコンバージョン(CV)に至るまでに時間がかかってしまう点があります。そこで、今後はユーザーを細かくセグメント分けし、配信内容を変えたり、リッチメニューをユーザーごとに出し分けたりすることで、より効果的なアプローチを目指していきたいと考えています。たとえば、友だち登録から一定期間が経過したユーザーや、しばらくアクションのないユーザーに向けた配信などがその一例です。
また、自社サイトの顧客情報とLINEのデータを連携させ、登録後のフォロー施策にも力を入れていきたいという社内の声もあります。
LINE公式アカウント運用を代理店に委託していて課題を感じている企業におすすめ
―Liglaの導入を検討している企業に向けてメッセージをお願いします。
現在の課題として、LINEの友だち登録からコンバージョン(CV)に至るまでに時間がかかってしまう点があります。そこで、今後はユーザーを細かくセグメント分けし、配信内容を変えたり、リッチメニューをユーザーごとに出し分けたりすることで、より効果的なアプローチを目指していきたいと考えています。たとえば、友だち登録から一定期間が経過したユーザーや、しばらくアクションのないユーザーに向けた配信などがその一例です。
― 本日はお忙しいなか、ありがとうございました。
「MOUSSY」をはじめ、主に20〜30代女性をターゲットとしたアパレルブランドを展開する株式会社バロックジャパンリミテッド(以下、バロックジャパンリミテッド)は、APIによる “LINE特化型”マーケティングオートメーションツール「Ligla(リグラ)」を導入し、LINE公式アカウントからのセグメント配信を自動化するなどして、高い運用実績を上げています。そのプロジェクトを推進するバロックジャパンリミテッドの柴田幸男氏(以下、柴田氏)、久保木理冴氏(以下、久保木氏)と、Liglaを開発・提供する株式会社TimeTechnologies(以下、TimeTechnologies)の柴田剛氏にLINEを活用した取り組みや得られた成果について話を聞きました。
LINEで店舗とECをつないでOMO促進をめざす
2000年に設立されたバロックジャパンリミテッドは、「MOUSSY」「SLY」「AZUL BY MOUSSY」など19ブランドを展開しています。現在、国内外に約650店舗を構え、2023年3月には旗艦店「The SHEL’TTER TOKYO東急プラザ表参道原宿店」をリニューアルオープンしました。

同店は外観にあるデジタルサイネージでブランドムービーなどを表示するほか、店内ではECサイトとライブ配信を組み合わせるライブコマースを行うスタジオが併設されるなど、OMO(※)の拠点としての役割を担っています。
※Online Merges with Offlineの略。ECサイト(オンライン)と店舗(オフライン)を融合させ、顧客体験の向上を目指すマーケティング手法
また、自社アプリ「SHEL’TTER PASS」上では、デジタル会員証、店舗やECサイト「SHEL‘TTER WEBSTORE」で使えるマイル(ポイント)などの各種機能を提供しており、「これらの取り組みを通じて店舗とECの連携強化を行なっている」とバロックジャパンリミテッドの柴田氏は話します。

「弊社の強みは商品はもちろん、店舗に立つ販売員にあると考えています。なかにはインフルエンサーのような人気スタッフもおり、そのスタッフがLINE STAFF STARTを使って情報発信すると、わざわざ遠方から足を運んでくださるお客様もいるほどです。
こうした発信力や集客力を土台としながら、店舗とECサイトそれぞれで保有するデータを統合して活用することで、オンライン・オフラインを問わずシームレスに買い物ができて、その結果、ロイヤリティーが高まるような顧客体験の提供を目指しています」(柴田氏)

現在、店舗では自社アプリ「SHEL’TTER PASS」の登録を促し、ECサイトでは自社ECのLINE公式アカウントの友だち追加を促しています。OMOを促進するには「自社アプリの会員とLINE公式アカウントの友だちの“重なり”を増やしていくことが重要」と柴田氏は強調します。

「弊社はSNSやメルマガなど複数のコミュニケーションチャネルを併用していますが、LINEはメールではアプローチできない層に対する販促チャネルとして活用しています。
具体的には、ロイヤリティーが比較的高めのアプリ会員に、メールよりも即時性と開封率の高さが期待できるLINEで情報発信することで、ECサイトの利用を効果的に促すことができます」(柴田氏)
友だち追加からID連携まで一気に訴求し、質の高い友だちを集客
バロックジャパンリミテッドでは、現在4種類のLINE公式アカウントを運用しています。
なかでも、とくに運用に力を入れているのが「自社ECアカウント」で、購入数・売上・ROI・ROASをKPIに設定しています。そのKPIを達成するためにLINE公式アカウントの運用を強化する必要性を感じた同社は、TimeTechnologiesが提供する「Ligla」を2022年12月に導入しました。

「Liglaの導入前も別のMAツールを利用してカート落ちやレコメンドなどのメッセージを配信していたのですが、一気通貫でユーザーの態度を変容させるような施策はできていませんでした。しかし、Liglaの導入後はデータを活用したセグメント配信によって、未購入顧客の効果的なナーチャリングが可能になりました。実際にEC売り上げアップにもつながっています」(柴田氏)
Liglaの運用をサポートしているTimeTechnologiesの柴田剛氏は、「未購入顧客やライト層にも効果的にメッセージを送り分けたいというニーズが多い」と明かします。
「Liglaは会員登録前・ID連携(※)前のユーザーに対してもセグメント配信やパーソナライズ配信が可能なので、未購入者の引き上げが見込めます。また、ナーチャリングのためにどのようなセグメントを用いるかについては、企業様とご相談しながら決めていきます。
バロックジャパンリミテッド様の場合、導入時に計28個の施策をご提案させていただき、施策の開始から1カ月ほどで効果が現れました」(TimeTechnologies 柴田氏)
LINEのユーザーIDと企業が保有する会員IDの連携。なお、ID連携はユーザーの許諾を得た上で行われます。

さらに、「質の高い友だち集客もLiglaの利用メリットの1つ」とTimeTechnologiesの柴田氏が語るように、バロックジャパンリミテッドでは以下のような施策でECサイトを訪れたユーザーの友だち追加やID連携を効率的に促しています。

「友だち追加の施策は主に2つです。ひとつは、ECサイト内の会員登録完了ページにボタンを設置して、LINE公式アカウントに誘導しています。
もうひとつは、友だち追加していないユーザーがECサイトに訪れた際、ポップアップを表示させるLiglaの機能を使っています。毎月、友だち追加数のうち25%がこのポップアップ経由となっています」(久保木氏)
久保木理冴氏
このサイト内ポップアップは、たとえば「1人あたり5回」というように表示回数を制限することができます。ユーザーがサイトを利用するなかで煩わしさを感じさせないようにしながら友だち追加を促せる点で、特にEC業界と相性が良いといえるでしょう。
また、バロックジャパンリミテッドではマイルプレゼントをフックにして、Liglaと別のMAツールから合計3種類のポップアップバナーを出し分けています。

さらに、Liglaの機能を利用して、ID未連携ユーザーとID連携済みユーザーそれぞれに合わせてリッチメニューを出し分けています。

「一連の施策で、友だち追加からID連携まで一気に完了してもらえるように工夫しています。LINE公式アカウントの友だち数は以前の2倍以上のスピードで増加しているものの、ブロック率は20%前後と横ばいで推移しています。また、ID連携率は約42%ですが、さらに精度の高いセグメント配信やパーソナライズ配信を目指して、今後も連携率を高める施策を継続します。
ちなみに、Liglaでリッチメニューの出し分けを行って以降、1カ月あたりのリッチメニュー経由のEC売上が1000万円に倍増しました。実際の売上効果を目の当たりにして、ユーザーに合わせたコミュニケーションの重要性を実感しています」(久保木氏)


スポット配信とシステム配信を効果的に使い分け

「メッセージの配信方法は、大きく分けて2種類あります。スポット配信はキャンペーンの告知や新作情報など、内容によって適宜、優先順位つけて手動で配信しています。現在は週に10回程度配信しており、セールやクーポン訴求の配信では1回の配信で100万円の売り上げにつながった例もあります。
一方、システム配信はユーザーの行動履歴などに応じたレコメンド配信、リマインド配信、カゴ落ち配信を自動で送れるようにLiglaの管理画面で設定しています。一例として、リマインド配信の成果を紹介しますが、他のシステム配信でも高い配信効果を記録してKPI達成に寄与しています」(久保木氏)

また、配信頻度や予算の都合でどうしてもLINE公式アカウントで配信できなかった情報については、メッセージ通数に加算されないLINE VOOMに投稿して、ユーザー間でのシェアを通じた認知度アップを図っているといいます。
「システム配信全体で見るとROAS2,000%を超える実績が出ていますが、弊社のLINE運用は兼任メンバーも含めて3人で行うなど、一言で表現するとすれば『省力化』です。
システム配信だけでも、1人のユーザーに1週間で10以上のメッセージが届くケースもありますが、クリエイティブは他のSNSで使用したものをカスタマイズしますし、配信効果の高い“勝ちパターン”が見つかれば、あとはそれに微調整を加えて効果検証を繰り返すのみです。
新たなシステム配信を企画する時は、最初にTimeTechnologiesのカスタマーサクセス担当者様と打ち合わせて設定を行い、その後はなるべく自分たちで運用するように意識しています」(久保木氏)

こうした取り組みにより、バロックジャパンリミテッドは直近1年でLINE公式アカウント経由の売り上げを150%伸長させました。今後の展望について、3氏はそれぞれ次のように語ります。

「Liglaでは、今年4月に店舗別の管理機能を追加しました。これにより、各店舗での友だち追加数の把握や、店舗イベントや出店しているモール情報に絡めた配信、あいさつメッセージの出し分けなどで、来店促進やECサイトへの誘導が可能となります。また、弊社の親会社である株式会社ブレインパッドはAIや機械学習に強みを持っているので、それらのテクノロジーも使いながら、今後もバロックジャパンリミテッド様をはじめ、お客様企業の販促やナーチャリングの最適化、自動化を支援していきたいと思います」(TimeTechnologies 柴田氏)
「アパレル業界では、2回以上買ってくれたお客様が3カ月以内にさらに購入してくれる確率は50%と言われています。しかし、1回だけ購入した方が、2回目を購入する確率は10%程度です。この“2回目の壁”を打ち破るために、期間限定のクーポンやポイントを配信するなど、初回購入の熱が冷めないうちにLINEで積極的にコミュニケーションを取っていきたいと思います。そのためにも、やはりID連携を基にしたデータ活用が大きなカギになりますね」(柴田氏)
「ECで購入したアイテムを店舗で受け取ることができるサービスを構想しています。その際、注文完了のお知らせや来店時間の予約などがLINE上でできると、ユーザーの利便性につながるのではないかと考えています。現在のようにユーザーが情報を受け取るだけではなく、ユーザー側からアクションを起こして店舗と積極的につながれるツールとしてLINEを活用していきたいですね」(久保木氏)
(公開:2023年7月、取材・文/相澤良晃、写真/高橋枝里)
※本記事内の数値や画像、役職などの情報はすべて取材時点のものです
※本記事内の実績は取材先調べによる数値です