LINE公式アカウントを運用する上で、顧客からの問い合わせに24時間365日対応できる仕組みを構築したいと考える企業やお店の方が増えています。
そんな企業やお店の方に向けて、今回はLINEマーケティング自動化サービスLigla(リグラ)のカスタマーサクセスチームが、LINE公式アカウントの基本機能であるAI応答メッセージ機能と外部チャットボットツールの連携について、マーケティング初心者の方でもわかりやすく解説いたします。
LINE公式アカウントで利用できる自動応答機能とは
LINE公式アカウントには、ユーザーからのメッセージに自動で返信する機能が標準搭載されています。これらの機能を活用することで、営業時間外でも顧客対応が可能になり、業務効率化と顧客満足度向上を同時に実現できます。
応答メッセージ機能の基本
LINE公式アカウントの応答メッセージは、友だちから送られてきたチャットのメッセージに対して自動返信をする機能です。この機能は無料プランでも利用でき、設定も比較的簡単に行えるため、LINE公式アカウントを運用する上で必須の機能といえます。
応答メッセージは、LINE公式アカウントの管理画面から誰でも無料で設定可能です。専門知識がなくても、数分で自動返信の仕組みを構築できます。
一律応答とキーワード応答の違い
LINE公式アカウントの応答メッセージには、主に2つのタイプがあります。それぞれの特徴を理解して、用途に応じて使い分けることが重要です。
| 応答タイプ | 特徴 | 活用シーン |
|---|---|---|
| 一律応答 | すべてのメッセージに対して同じ内容を自動返信 | 営業時間外の自動応答、初回コンタクト時の挨拶など |
| キーワード応答 | 特定のキーワードに対してあらかじめ設定した内容を返信 | よくある質問への自動回答、予約や問い合わせの誘導など |
キーワード応答の設定方法と注意点
キーワード応答は、ユーザーからのメッセージに特定のキーワードが含まれている場合に自動で返信する機能です。ただし、キーワード応答は完全一致した場合にのみ反応するという重要な制約があります。
例えば、「予約」というキーワードを設定している場合、以下のようなメッセージには反応しません。
- 予約をしたい
- 予約方法は?
- 予約の時間を変更したい
この制約を克服するためには、想定される質問パターンをすべて個別のキーワードとして設定する必要がありますが、これには限界があります。より柔軟な自動応答を実現したい場合は、外部チャットボットツールの導入を検討することをおすすめします。
AI応答メッセージ機能の提供終了について
LINE公式アカウントには、かつて「AI応答メッセージ」という機能が提供されていました。この機能は、AIがチャット内容を自動で判別して適切なメッセージを返信してくれるという画期的なものでしたが、2023年11月29日をもって提供終了となりました。
AI応答メッセージ終了後の代替手段
AI応答メッセージの提供終了により、LINE公式アカウントだけでは高度な自動応答を実現することが困難になりました。現在は、以下の方法で同様の機能を実現することが一般的です。
- 外部チャットボットツールとのMessaging API連携
- LINE拡張ツール(MAツール)の導入
- 自社開発によるチャットボットシステムの構築
外部チャットボットとMessaging API連携とは
LINE公式アカウントの機能だけでは実現できない高度な自動応答を可能にするのが、外部チャットボットツールとの連携です。この連携には「Messaging API」という開発者向けの機能を使用します。
Messaging APIの基本概要
Messaging APIとは、LINE公式アカウントと外部システムやツールを接続するための橋渡し役となる機能です。この機能を活用することで、通常の管理画面では実現できない高度な機能を利用できるようになります。
Messaging API自体の利用は無料です。ただし、メッセージ配信については通常のLINE公式アカウントの料金プランに従った費用が発生します。
Messaging APIで実現できること
Messaging APIを導入することで、以下のような高度な機能が利用可能になります。
- キーワードの部分一致や自然言語処理を活用した柔軟な自動応答
- ユーザーの行動履歴や属性情報に基づいた高度なセグメント配信
- ユーザーごとに異なるリッチメニューの表示
- CRMや予約システムなど外部システムとのデータ連携
- AIを活用したチャットボットの実装
Messaging API連携の具体的な手順
Messaging APIを利用するための設定手順を、初心者の方でも理解できるように段階的に解説します。
STEP1:LINE公式アカウントの作成
まず、LINE公式アカウントを持っていない場合は、アカウントの作成から始めます。既にアカウントをお持ちの方は、このステップはスキップして次に進んでください。
- LINE公式アカウントの作成ページにアクセス
- LINEビジネスIDでログイン(初回の場合は新規登録)
- アカウント情報(アカウント名、業種など)を入力
- 利用規約に同意して作成完了
STEP2:Messaging APIの有効化
LINE公式アカウントの管理画面から、Messaging APIを有効化します。この作業は、LINE Official Account Managerから行います。
- LINE Official Account Managerにログイン
- 右上の「設定」をクリック
- 左メニューから「Messaging API」を選択
- 「Messaging APIを利用する」ボタンをクリック
- プロバイダーを作成(プロバイダー名を入力)
- 利用規約に同意して「同意する」をクリック
プロバイダー名は後から変更できないため、企業名やサービス名など分かりやすい名前を設定しましょう。複数のLINE公式アカウントを管理する場合、同じプロバイダー配下にまとめることができます。
STEP3:チャネルアクセストークンの取得
API連携を行うには、チャネルアクセストークンという認証キーが必要です。このトークンは、LINE公式アカウントを操作するための重要な認証情報ですので、厳重に管理してください。
- LINE Developersコンソールで該当のチャネルを選択
- 「Messaging API設定」タブをクリック
- 「チャネルアクセストークン(長期)」の項目を探す
- 「発行」ボタンをクリック
- 発行されたトークンをコピーして安全に保管
STEP4:Webhook URLの設定
ユーザーからのメッセージを受信するには、Webhook URLの設定が必要です。このURLは、連携する外部ツールやシステムから提供されます。
- LINE Developersコンソールの「Messaging API設定」タブを開く
- 「Webhook設定」の「編集」をクリック
- 連携ツールから提供されたWebhook URLを入力
- 「更新」をクリック
- 「Webhookの利用」を有効にする
STEP5:応答設定の調整
Messaging APIを利用する場合、LINE公式アカウントの標準機能との競合を避けるため、応答設定を調整する必要があります。
| 設定項目 | 推奨設定 | 理由 |
|---|---|---|
| 応答メッセージ | オフ | APIによる自動応答と重複を避けるため |
| Webhook | オン | ユーザーからのメッセージを受信するため |
| あいさつメッセージ | 任意 | 友だち追加時の挨拶は残しても問題なし |
2026年おすすめのLINEチャットボットツール
Messaging APIを活用するには、外部チャットボットツールの導入が効果的です。2026年現在、市場には多くのツールが存在しますが、主に以下のタイプに分類されます。
AI生成型チャットボット
ChatGPTなどの生成AIを搭載したチャットボットツールです。自然な会話が可能で、予期しない質問にも柔軟に対応できるのが特徴です。カスタマーサポート業務の大幅な効率化に貢献します。
シナリオ型チャットボット
事前に設定した会話フローに沿って対話を進めるタイプのチャットボットです。ルールベースで動作するため、想定内の質問には高い精度で回答できます。予約受付や簡単な問い合わせ対応に適しています。
マーケティングオートメーション(MA)型
チャットボット機能に加えて、顧客データ管理、セグメント配信、分析機能など、マーケティング活動全般をサポートする総合的なツールです。LINE運用を本格的に強化したい企業に適しています。
チャットボットツールを選ぶ際は、自社の目的(カスタマーサポート、マーケティング、予約受付など)と予算に合わせて最適なタイプを選択することが重要です。多くのツールで無料トライアルが提供されていますので、実際に試してから導入を検討することをおすすめします。
チャットボット導入のメリットと活用事例
外部チャットボットツールを導入することで、どのようなメリットが得られるのでしょうか。具体的な活用事例とともにご紹介します。
24時間365日の顧客対応を実現
チャットボットを導入することで、営業時間外や休日でも顧客からの問い合わせに自動で対応できます。これにより、顧客満足度の向上と問い合わせ対応コストの削減を同時に実現できます。
よくある質問への自動回答
「営業時間は?」「配送にどれくらいかかる?」といったよくある質問には、チャットボットが即座に回答します。これにより、スタッフは複雑な問い合わせ対応に集中できるようになります。
予約受付の自動化
飲食店や美容院、医療機関などでは、チャットボットを活用した予約受付システムが効果的です。ユーザーは会話形式で簡単に予約を完了でき、店舗側は予約管理業務を大幅に削減できます。
商品レコメンドとECサイト連携
ユーザーの購入履歴や閲覧履歴に基づいて、最適な商品をレコメンドすることができます。ECサイトと連携することで、LINEから直接購入までスムーズに誘導できます。
チャットボット導入時の注意点
チャットボットを導入する際は、以下のポイントに注意することで、より効果的な運用が可能になります。
料金プランの確認
2026年現在、LINE公式アカウントの料金プランは以下の通りです。
| プラン名 | 月額固定費 | 無料メッセージ通数 | 追加メッセージ料金 |
|---|---|---|---|
| コミュニケーションプラン | 0円 | 200通 | 配信不可 |
| スタンダードプラン | 15,000円(税別) | 30,000通 | ~3円/通 |
チャットボットを導入すると自動応答の頻度が増えるため、メッセージ配信数が増加します。事前に配信計画を立て、適切なプランを選択しましょう。
段階的な導入がおすすめ
最初からすべての機能を実装するのではなく、まずは簡単な質問への自動回答から始めて、徐々に機能を拡張していくことをおすすめします。これにより、運用ノウハウを蓄積しながら、効果的なチャットボットを構築できます。
定期的なメンテナンスが必要
チャットボットは一度設定したら終わりではありません。ユーザーからの質問内容を分析し、回答精度を継続的に改善していくことが重要です。また、新しい商品やサービスが追加された場合は、チャットボットの回答内容も更新する必要があります。
よくあるトラブルと解決方法
Messaging API連携やチャットボット導入時によくあるトラブルと、その解決方法をご紹介します。
メッセージが送信できない場合
チャネルアクセストークンが正しく設定されているか、APIのリクエスト形式が正しいかを確認してください。また、メッセージ配信数が上限に達していないかもチェックしましょう。
応答メッセージが重複する場合
LINE公式アカウントの標準機能の「応答メッセージ」とMessaging APIの自動応答が両方有効になっている可能性があります。応答設定で「応答メッセージ」をオフにしてください。
チャットボットの回答精度が低い場合
AI型チャットボットの場合は、学習データの追加や調整が必要です。シナリオ型の場合は、想定される質問パターンをより多く登録することで改善できます。また、回答できなかった質問のログを分析し、継続的に改善していくことが重要です。
まとめ
LINE公式アカウントのAI応答機能は2023年に提供終了となりましたが、Messaging APIを活用した外部チャットボットツールとの連携により、より高度で柔軟な自動応答システムを構築することが可能です。
本記事でご紹介した手順に従ってMessaging APIを設定し、自社の目的に合った外部チャットボットツールを導入することで、24時間365日の顧客対応、業務効率化、顧客満足度向上を実現できます。
2026年現在、LINEを活用したマーケティングはますます重要性を増しています。まずは無料のコミュニケーションプランでAPI連携を試し、効果を確認しながら段階的に機能を拡張していくことをおすすめします。チャットボット導入に関してご不明な点がある場合は、各ツールの提供会社にお問い合わせください。